企業, 官公庁, 機体 — 2025年10月24日 13:45 JST

AERO Asia、中国珠海で11月開催 ドローンやeVTOL 300社超出展

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 ドイツの国際見本市主催会社メッセ・フランクフルトの香港法人と、珠海航空ショーグループは、国際航空展示会「AERO Asia 2025」を現地時間11月27日から30日まで中国・珠海の珠海国際エアショーセンターで開催する。ドローンや日本で「空飛ぶクルマ」と呼ばれるeVTOL(電動垂直離着陸機)といった、中国政府が重要政策と位置づける「低空経済」分野の出展や、ビジネスジェットをはじめとするジェネラル・アビエーションなど、300社以上の企業が集まる。

珠海国際エアショーセンターで開かれるAERO Asia(メッセ・フランクフルトのサイトから)

—記事の概要—
中国政府「低空経済」推進
AVIC・AECC・COMACも支援

中国政府「低空経済」推進

 中国政府が進める「低空経済」は、高度1000メートル以下の低空域で、有人・無人のドローンやeVTOLなどの航空機を活用する経済活動を指す。景気減速への対策や、産業構造転換の一環として、農薬散布、エアタクシー、施設点検などに活用する。

珠海国際エアショーセンターで開かれるAERO Asia(メッセ・フランクフルトのサイトから)

 中国政府系研究機関の報告書によると、2023年に約5000億元(約10兆円)だった市場規模が、2026年には1兆元(約20兆円)へと倍増すると予測しており、展示会を通じて市場拡大につなげていく狙いがある。

 今回の出展企業は、21カ国・地域から300社以上。初参加はベルギー、韓国、マレーシア、マルタ、トルコ、英国で、屋内には120機超、屋外には150機超の実機展示を予定している。

 中国の国内企業は、Volant AerotechやWanfeng Aviation Industry、Wefly、Zero Gravity Aircraftなどが参加し、AVICは航空救難システム「15733」や低空分野製品群を出展する。

 海外企業では、AutoGyro(夜間目視飛行対応の新型「Cavalon」)、Becker Avionics(航空通信技術)、Beringer Aero(タイヤやブレーキなど)、Cirrus(新型SRシリーズ「G7+」、自動着陸技術「Safe Return」搭載)、Garmin(G1000 NXiなどの計器類、初の中国展示)、Pilatus(最新ビジネス機)、Southern Cross(統合型補用品物流)などが出展する。

AVIC・AECC・COMACも支援

 AERO Asiaは、中国商務部が唯一認可しているジェネラル・アビエーションの国際見本市で、2025年の開催テーマは「A New Era, Explore More(新時代・もっと広がる発見)」。メッセ・フランクフルトとメッセ・フリードリヒスハーフェンが共同展開する展示会「AERO」の一環として位置づけられ、欧州の「AERO Friedrichshafen」、南アフリカの「AERO South Africa」と並ぶ主要イベントとなっている。

珠海国際エアショーセンターで開かれるAERO Asia(メッセ・フランクフルトのサイトから)

 主催はメッセ・フランクフルト(珠海)エアショー、共催はメッセ・フランクフルト(香港)と珠海航空ショーグループ。珠海市人民政府、中国航空工業集団(AVIC)、中国航空発動機集団(AECC)、中国商用飛機(COMAC)が運営を支援する。

 支援団体は37団体。AOPA-China、AsBAA、中国航空工業通用航空などが名を連ねる。新たに、英国拠点のNPO「Elevate(her) Aviation」、韓国のKOTRA、EV充電規格を推進するシンガポールのCharIN.Asiaなども支援団体として加わった。

 併催イベントは50超を予定し、出展者と主要来場者のマッチングも行う。展示会を通じて研究開発・製造の振興や、航空産業のサプライチェーン支援を進める。

 チケットは公式サイトやWeChatなどで販売。一般向けには大人券(200元)、6-18歳と60歳以上の割引券(100元)、航空ランド入場を含むセット券があり、業界関係者向けには複数日入場可能なプロフェッショナルパスを用意。海外来場者は専用登録システム「VOR」で事前登録後、Ctrip経由で購入する。

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