イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ(IAI)は、ボーイング777-300ER型機を旅客機から貨物機に転用する「777-300ERSF」の開発で、改修初号機がFAA(米国連邦航空局)とイスラエル民間航空局(CAAI)の双方からSTC(追加型式設計承認)を取得したと現地時間9月1日に発表した。777の貨物機改修に対するSTC取得は世界初で、最大搭載量は約100トン。双発旅客機を改修した貨物機としては最大クラスとなる。

IAIの777-300ERSF(同社提供)
ローンチカスタマーは航空機リース大手のエアキャップで、運航を担うローンチオペレーターは貨物専業のカリッタ航空(CKS/K4)。今回のSTC取得により、IAIは777型機の貨物機改修に世界で初めて成功した企業となった。
IAIのボアズ・レヴィ社長兼CEOは「IAIはP2F(旅客機から貨物機への改修)分野の世界的リーダーであり、今回のSTC取得は技術力、設計力、運用力の高さを証明するもの」と述べた。
IAIは旅客機の貨物転用をはじめ、MRO(整備・修理・オーバーホール)やビジネスジェットの改修、機体構造部品の製造など多角的に事業を展開しており、P2F改修では45年以上の実績を持つ。これまでにアマゾンやDHL、ガルフストリームなど大手からの改修実績があり、777向けの改修施設を世界各地で拡充している。

JALとコードシェアを始めるカリッタ航空の777-300ERSF(カリッタ航空提供)

カリッタ航空の777-300ERSFの搭載ポジション(JALの資料から)

IAIの777-300ERSF(同社提供)

IAIの777-300ERSF(同社提供)
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