日本航空(JAL/JL、9201)は、客室乗務員が出身地など全国各地に移住し、地域の魅力を発信する「JALふるさとアンバサダー」のオリエンテーションを都内の本社で4月14日に開いた。今年度は全国21地区に24人を配置し、うち13人が新任。伊丹空港を拠点に国内線を運航するジェイエア(JAR/XM)の客室乗務員6人が初めて加わった。

4月に着任した13人のJALふるさとアンバサダー=25年4月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
ふるさとアンバサダーは社内公募で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響下にあった2020年8月にスタート。地域活性化に関わりたい客室乗務員が出身地やゆかりのある地域に移住し、新たな特産品の開発や魅力発信などに取り組んできた。2022年9月からは、海外基地に所属する客室乗務員が「JALふるさとアンバサダーGLOBAL」として東京を拠点に活動しており、今年度はタイと台湾の2人が活動し、合わせて26人(24年度は20人とGLOBAL 2人の計22人)と過去最多になった。

JALふるさとアンバサダーの香月さん=25年4月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
長崎支店に配属されたジェイエアの香月椎捺さんは、熊本県出身で2013年入社。同社では機内販売の企画に携わり、大阪・泉州地域のタオルハンカチを商品化した経験がある。「地域のお役に立てることを腰を据えてやりたいと思い、応募しました」と話す。
「コロナの時に、行きたい所へ行ったり、会いたい人に会いに行くことが当たり前ではないと、すごく感じました」という香月さんは、人と人がつながるきっかけを、地域の魅力を通じて創り出すことを目指す。
JALの中村優希さんは、京都府出身で2016年入社。京都支店配属で、京都府と滋賀県を担当する。これまで移住せずに乗務と並行して活動する「ふるさと応援隊」として、地元食材を使った料理を紹介する動画をYouTubeに掲載するなどの経験がある。

JALふるさとアンバサダーの中村さん=25年4月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
「伝統工芸や文化が好きなので、新たな地域の魅力を発信していきたいです」(中村さん)と話し、「機内で地元のことをお客さまにお話しすると『行ってみるね、面白そう』と言っていただけるのが客室乗務員としてうれしい瞬間でした」と、機内での接客経験を生かせる客室乗務員の立場で出身地の魅力を伝えていきたいという。
JALの7人とジェイエアの6人による新任13人のうち、北海道地区は4人で斉藤麻衣さん(ジェイエア 16年入社、北海道出身)、近藤朋美さん(JAL 96年、神奈川県)、佐藤愛菜さん(ジェイエア 20年、埼玉県)、 佐藤奈々絵さん(JAL 24年 宮城県)。西日本地区は7人で中村さんのほかに石井千春さん(ジェイエア 24年、大阪府)、岡田裕子さん(JAL 08年、高知県)、宮本由子さん(JAL 99年、大阪府)、下田美紀さん(JAL 12年、岡山県)、出頭美由紀さん(JAL 91年、茨城県)、藤田エミさん(ジェイエア 13年、徳島県)。九州地区は2人で香月さんと小原井美月さん(ジェイエア 16年、福岡県)が活動する。
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日本航空
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