全日本空輸(ANA/NH)を中核とするANAグループは、国際線旅客が航空券購入時に支払う燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)のうち、2025年度の適用額を引き上げる。燃油価格の上昇などコスト高騰によるもので、10%程度の値上げとなる。ANAが燃油サーチャージ価格の基となる「改定基準テーブル」を見直すのは2022年度以来3年ぶり。

25年度の燃油サーチャージを10%程度値上げするANA=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
燃油サーチャージは、シンガポールケロシンの市況価格と為替レートの各平均により決定。方面別に料金を設定し、2カ月ごとに改定している。1バレルあたりの市況価格と米ドル為替を2カ月平均で算出したものを円換算し、適用額を決定。6000円以上の場合に適用し、6000円を下回った場合はサーチャージを徴収しない。
今回引き上げるのは4月以降の「改定基準テーブル」で、概ね10%程度の値上がりとなる。ANAは今回の値上げについて、市況高騰を鑑みての措置だとした上で、安定的な事業継続のためサーチャージを増額したと説明している。
日本航空(JAL/JL、9201)は2022年4月に燃油サーチャージ価格を改定し、全体的に15%程度値上げしている。
関連リンク
燃油特別付加運賃 / 航空保険特別料金について(ANA)
全日本空輸
・ANA、4-5月分サーチャージ引き上げ 欧米往復7.2万円超、ハワイ4.6万円超に(25年3月11日)
・JAL、燃油サーチャージ適用額15%引き上げ 4月から価格改定(22年3月11日)