エアライン, ボーイング, 機体, 解説・コラム — 2025年3月4日 05:55 JST

【独自】ZIPAIR、787-9導入 フルフラットシート拡充視野

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 日本航空(JAL/JL、9201)傘下で中長距離LCCのZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)は、ボーイング787-9型機を導入する方針を固めた。早ければ3月4日にも発表する。787-9は現行機材787-8よりも全長が約6.1メートル長く、ZIPAIRの目玉であるフルフラットシートを多く設定することも可能だ。

787-9を導入するZIPAIR。写真は現行機787-8=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ZIPAIRの787-9は、JALが発注。2024年7月にロンドン近郊で開かれたファンボロー航空ショーで、JALは787-9を確定発注10機とオプション10機の最大20機を発注する契約をボーイングと締結しており、2028年度から国際線機材として受領する計画だ。

 JALが1年前の2024年3月に導入発表した際、赤坂祐二会長(当時社長)はAviation Wireの取材に対し、ZIPAIR向けにも787-9の導入を検討していることを明らかにした。赤坂氏は「基本的にZIPAIRで考えている」と、10機の大半をZIPAIRで運航する可能性を示唆した。

フルフラットにしたZIPAIRの上級席「ZIP Full-Flat」=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ファンボロー航空ショーで787-9の正式発注を発表するJALの中川由起夫調達本部長(右、当時)ら=24年7月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 現在8機ある787-8の座席数は、2クラス290席。フルフラットシート「ZIP Full-Flat(ジップ・フルフラット)」が18席、エコノミークラス「Standard(スタンダード)」が272席で、ZIPAIRの西田真吾社長によると、ZIP Full-Flatは満席になる便が多いといい、787-9の導入で単価の高いフルフラットシートの提供座席数を増やすとみられる。

 ZIPAIRは、最長路線となる成田-ヒューストン線を3月4日に週4往復で開設。初の米国南部就航で、成田から往復で約28時間かかり、24時間を超える路線を運航するのも初めてで、1路線に1日あたり2機投入する初のオペレーションになる。787-8による単一機材運航で一定規模に成長したことから、機材の大型化で次の成長につなげる。

 これまでの就航地はバンコク、ソウル、ホノルル、シンガポール、ロサンゼルス、サンノゼ、サンフランシスコ、マニラ、バンクーバーで、ヒューストンが加わる。2020年に就航し、これまで最長だったロサンゼルス線よりも長距離路線を運航するようになり、将来的な米国東海岸就航へつなげていく。

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機内の動画(YouTube Aviation Wireチャンネル
ZIPAIR 787-8 JA822J機内公開 フルフラットシートも

写真特集・ZIPAIR 787-8の機内
(1)フルフラット上級席ZIP Full-Flatは長時間も快適
(2)個人用モニターなし、タブレット置きと電源完備のレカロ製普通席
(3)LCC初のウォシュレット付きトイレ

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