エアライン, 官公庁, 空港, 解説・コラム — 2024年4月17日 09:08 JST

羽田の国内線発着枠配分、コロナ期間やANA系コードシェアの扱い焦点=検討委

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 国土交通省航空局(JCAB)は4月16日、羽田発着枠配分基準検討小委員会(委員長:竹内健蔵東京女子大学教授)の2回目の会合を開いた。2025年以降の国内線発着枠配分に対する考え方を検討する有識者会議で、今回は全日本空輸(ANA/NH)や日本航空(JAL/JL、9201)など国内6社のトップや幹部が出席し、前回配分の2020年からこれまで5年間で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響期間にどのような取り組みを行ってきたかや、影響期間をどのように捉えるかなどのプレゼンテーションが行われた。

国内線発着枠配分が議論される羽田空港=20年4月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 プレゼンは持ち時間が1社15分間で、順番は事前のくじ引きで決まり、スターフライヤー(SFJ/7G、9206)、エア・ドゥ(ADO/HD)、JAL、スカイマーク(SKY/BC、9204)、ANA、ソラシドエア(SNJ/6J)の順で発表した。

 焦点となったのは、発着枠の活用を評価する期間の扱い。今回対象となる2019年度から2023年度までの5年間のうち、コロナ影響が及んだ期間の扱い。ANAとスターフライヤー、ソラシドエアは、コロナ影響のない2024年度から5年間とすべき、エア・ドゥは2023年度から5年間、スカイマークは予定通り2019年度からでコロナ期間の取り組みも評価すべき、JALは期間よりも基準の見直しを重視すべき、との立場を表明した。

 6社のうち、エア・ドゥとソラシドエア、スターフライヤーの3社は、ANAとコードシェアを実施しており、事実上ANAグループによる発着枠の利用との指摘が、JALとスカイマークから出た。

 1990年代の規制緩和後に参入したスカイマークとエア・ドゥ、ソラシドエア、スターフライヤーの4社は、航空局が特定既存航空会社(旧称・新規航空会社)と分類。これらの航空会社に対する経営支援として、25%を上限としていたコードシェアの割合が現在は50%まで拡大され、スカイマーク以外の3社がANAとコードシェアを実施している。

 筆頭株主が日本政策投資銀行(DBJ)のエア・ドゥとソラシドエアは、2022年に設立された共同持株会社リージョナルプラスウイングス傘下であることから、スカイマークの洞駿(ほら・はやお)社長はANAやJALのグループ会社が一つとして扱われていることを例に「1グループとして扱わなければおかしい」と指摘した。

 このほか「政策コンテスト枠」や「1便・3便ルール」といった地方路線維持のあり方、地方の不採算路線に対する各社の取り組みをどう扱うかなどが検討課題にのぼった。取りまとめは今夏の予定で、次回の委員会は5月17日に開かれる。

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国土交通省

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