エアバス, 官公庁, 機体, 空港 — 2023年5月21日 23:05 JST

ゼレンスキー大統領が帰国 仏軍A330で北回り

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 G7広島サミットに出席したウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が5月21日夜、広島空港から帰国の途についた。往路と同様にフランス航空宇宙軍(旧空軍)のエアバスA330-200型機(登録記号F-UJCT)に搭乗し、隣国ポーランドへ向かった。

岸田首相(右)と原爆慰霊碑に献花するゼレンスキー大統領(ウクライナ大統領府提供)

 20日に広島入りしたゼレンスキー大統領は、英国のリシ・スナク首相を皮切りに、参加国首脳と会談。サミット閉幕後に会見した米国のジョー・バイデン大統領は「ゼレンスキー大統領に米国は同盟国やパートナーとともに、ウクライナのパイロットに対してF-16戦闘機を含む第4世代戦闘機の訓練を始めると伝えた。ウクライナの自衛能力に対する長期的なコミットメントの1つだ」と語った。

広島で記者会見するゼレンスキー大統領(ウクライナ大統領府提供)

 ゼレンスキー氏は広島市の原爆資料館を視察後、岸田文雄首相とともに平和公園を訪れ、原爆慰霊碑に献花し、広島国際会議場で首脳会談が開かれた。

 帰国時のTwitterの投稿で、ゼレンスキー氏は「日本政府首脳にG7サミットへの招待を感謝します。

 日本には、76億ドルの資金援助や負傷したウクライナ軍人の治療受け入れ、トラック100台の追加供与の決定に感謝します。首相に前線の状況を説明し、日本のロシアに対する制裁を継続する重要性を強調しました。我々はウクライナ軍の物的・技術的能力の強化や自国の土地の地雷除去など、ウクライナを支援するためのさらなる措置について議論しました。

 我々は、ウクライナの復興に関するウクライナと日本の会議を開催し、このプロセスに民間企業を参加させることで合意しました。また、ウクライナ平和フォーミュラの実施に関するグローバル・サミットの開催という問題についても、日本の支持を期待しています。

 水素、リチウム電池、自動車、エネルギー機器の生産、陸橋や鉄道インフラの建設に対する日本の投資の可能性についても話し合った。

 ありがとう、日本!ありがとう、岸田首相!」

原爆慰霊碑に献花後記念撮影に応じる岸田首相(右)とゼレンスキー大統領(ウクライナ大統領府提供)

原爆慰霊碑に献花後記念撮影に応じる岸田首相(右)とゼレンスキー大統領(ウクライナ大統領府提供)

 今回のサミットには日本のほか、イタリア、カナダ、フランス、米国、英国、ドイツの7カ国に加え、招待国として豪州、ブラジル、アフリカ連合(AU)議長国のコモロ、太平洋諸島フォーラム(PIF)議長国のクック諸島、G20議長国のインド、ASEAN議長国のインドネシア、韓国、ベトナムの8カ国、国際機関の国連、国際エネルギー機関
(IEA)、国際通貨基金(IMF)、経済協力開発機構(OECD)、世界銀行、世界保健機関(WHO)、世界貿易機関(WTO)が招かれた。

 ゼレンスキー氏を乗せた仏軍のA330は、21日午後9時36分ごろ広島空港を離陸した。民間機の欧州方面便と同様、北回りでポーランドへ向かうとみられる。現地時間19日にサウジアラビアのジッダへ向かう際に使用したポーランド南東部のジェシュフ空港を使用する見込み。

 F-UJCTは、2019年6月に運航を停止し、2020年7月に破産したアビアンカ・ブラジルへ2017年3月に引き渡された機体。2019年4月まで同社にPR-OCXとして在籍後にVIP機として改修され、2020年12月にフランスへ納入された。今回のゼレンスキー氏来日では、20日に広島へ到着後は関西空港へフェリーされ、21日午後5時49分ごろ広島へ戻った。

関連リンク
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