エアライン, ボーイング, 機体, 空港, 解説・コラム — 2023年1月19日 00:45 JST

なぜ”うちなーの翼”JTAが羽田-小松・岡山を飛ぶのか JALグループで737フル活用

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 日本航空(JAL/JL、9201)を中核とするJALグループは、3月26日開始の夏ダイヤから羽田-小松・岡山の2路線の一部便を、那覇空港を拠点とする日本トランスオーシャン航空(JTA/NU)の運航に切り替えて「共同引受」を始める。

JTAを象徴する737-800と言えるジンベエジェット。羽田で見かける機会が増えそうだ=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 2路線では一部便がJTAの機材と乗員による運航に変わるが、便名はJAL便名を継続する。夏ダイヤ初日の場合、羽田-岡山線は岡山午前7時15分発の羽田行きJL232便、羽田午前10時25分発の岡山行きJL233便など、1日5往復のうち3往復をJTAが担う。

 羽田-小松線は4月3日が共同引受の初日となる見通しで、羽田午前7時15分発の小松行きJL183便など1日6往復のうち4往復がJTA運航になる。

 しかし、2路線とも発着地だけを見ると、小松も岡山もJTAの拠点である沖縄とは縁遠そうだ。なぜ“うちなー(沖縄)の翼”のJTAが、これらの路線をJAL便名で飛ぶのだろうか。

—記事の概要—
機材・就航地に共通点
2社の737フル活用

機材・就航地に共通点

 JTAの就航地は10空港で、沖縄県内は那覇、久米島、宮古、石垣の4空港、県外は羽田、関西、中部、小松、岡山、福岡の6空港。機材はボーイング737-800型機を13機保有している。JALグループの航空会社で737-800を運航しているのはJALとJTAで、ヘッドレストカバーのデザインなど一部に違いはあるものの、座席数は両社とも2クラス165席に統一しており、共通運用が可能だ。

JALとJTAが乗り入れる小松空港=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 共同引受の対象に今回加わる羽田-小松線と岡山線は、JALが主に737-800を投入している路線で、3空港ともJTAが就航しているといった共通点がある。この共同引受とは、旅客や貨物に対する運送責任を連帯して追うもの。JTAでは、羽田-宮古・石垣・久米島の沖縄離島3路線が、2021年の夏ダイヤからJAL便名に統一済みで、繁忙期にJALの機材で大型化が可能になった。

JTAの運航路線(同社サイトから)

 JALが羽田-小松線と岡山線を共同引受の対象にしたのは、両社の就航空港を結ぶ路線で、同じ737-800で運航しているといった点が大きい。

 JTAの羽田-宮古線や石垣線は、ゴールデンウイークや夏休みなどの繁忙期には、共同引受によりJALの767-300ER(2クラス261席)を投入している。一方、通常期に飛ぶ737-800は、別の路線で運航できる。つまり、共同引受の対象路線を広げることで、JALグループ全体で機材や提供座席数を最適化できる。

2社の737フル活用

 では、機材繰りはどうするのだろうか。那覇-小松線も岡山線も1日1往復で、仮に両空港から羽田へ向かう便に那覇から来た機材を使ってしまうと、両路線は往復運航ができない。

JTAがJALから受領した13機目の737-800 JA350J=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 このため、羽田-小松線と岡山線とも、JTA機で運航を始める際は出発空港までフェリーし、その後は整備などを除いて同じ路線を飛び続けるのが基本的な運用になるという。

 夏の繁忙期、祝日「山の日」となる8月11日金曜日を例に見てみると、この日の羽田-小松線は6往復のうち4往復が、岡山線は5往復のうち3往復がJTA運航となる。羽田-宮古線や石垣線にはJALの767が入っているので、普段飛んでいるJTAの737を2路線に投入し、これにより浮いたJALの737を別の路線に入れて提供座席数を調整することもできる。

 JALとJTAの737をこれまでよりも横断的に活用し、高需要路線や便にはJALの中型機や大型機を投入することで、JALだけで機材を見直すよりも、グループ全体で最適解にたどり着きやすくなると言えそうだ。

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