エアライン — 2022年2月18日 21:36 JST

ピーチ、1億円に減資 コロナ後見据え財務健全化

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下のピーチ・アビエーション(APJ/MM)は2月18日、資本金を75億1505万円から1億円に減資し、74億8500万円の資本準備金をゼロにすると発表した。7日開催の株主総会で決議され、効力発生日は3月30日を予定。財務体質の健全化を図る。

資本金を1億円に減資するピーチ=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 減少する資本金と資本準備金は「その他資本剰余金」に振り替える。貸借対照表にある純資産の部の勘定科目に対する振替処理で純資産額に変動はなく、業績に影響はないという。

 ピーチの2021年3月期通期決算は、純損益が295億500万円の赤字(20年3月期は94億9200万円の赤字)で、終盤からコロナ影響が出始めた2019年3月期から3期連続で最終赤字となった。一方、2021年4-12月期(22年3月期第3四半期)の旅客収入は245億円で、2021年3月期通期の220億円を上回っている。

 株主の出資比率はANAHDが77.9%、産業革新機構(INCJ)が15.1%、ファーストイースタンアビエーションホールディングス(FE)が7.0%。ANAHDは当初38.7%だったが、出資比率を段階的に高めて2017年4月13日に連結子会社化した。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、航空各社は財務健全化が課題となっており、減資が相次いでいる。スカイマーク(SKY/BC)やエア・ドゥ(ADO/HD)、ソラシドエア(SNJ/6J)、日本航空(JAL/JL、9201)が出資するLCCのスプリング・ジャパン(旧春秋航空日本、SJO/IJ)とZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)も、税制上は中小企業として扱われる資本金1億円に減資している。

関連リンク
ピーチ・アビエーション

ピーチ
ピーチ、ANA会員向けに最大3万マイル 就航10周年キャンペーン(22年2月18日)
ピーチ21年3月期、最終赤字295億円(21年6月29日)

減資を発表した航空会社
ZIPAIRも資本金1億円に減資 ”中小企業”に(22年2月18日)
スプリング・ジャパン、資本金1億円に減資 ”中小企業”に(22年2月12日)
スカイマーク21年3月期、最終赤字163億円 2期連続、資本金1億円に(21年6月28日)
エア・ドゥとソラシド、”中小企業”に 第三者割当増資後に減資(21年5月31日)