エアバス, エアライン, 機体 — 2013年8月7日 12:43 JST

ピーチ、10号機は「ウイング・オブ・東北」 福島の小学生が命名

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 ピーチ・アビエーション(APJ)は現地時間8月6日、10号機目となるエアバスA320型機(登録番号JA810P)の愛称の命名式をドイツ・ハンブルクにあるエアバス社の工場で行った。愛称は福島県福島市の小学4年生、竹田和奏(わかな)さん(9)の「WING OF TOHOKU(ウイング・オブ・東北)」が選ばれた。

10号機の機内で家族と記念撮影に応じる竹田和奏さん(左から3人目)=8月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

「WING OF TOHOKU」のへの思いを話す竹田さん=8月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 10号機の愛称募集は、4月に低コスト航空会社(LCC)では初の東北地方への就航となった関西-仙台線の就航を記念し、復興支援活動の一環としてAPJ社員の発案で行われた。福島、宮城、岩手、山形、秋田、青森の東北6県の小・中学校に在学する児童や生徒を対象として行われ、和奏さんの愛称が選ばれた。

 式典は航空会社への機体引き渡しを行う工場内のデリバリーセンターで催され、和奏さんは「東北が元気になるように飛んで欲しいと思って名付けた」と、愛称への思いを披露した。

 母親の有理さんによると10号機の愛称募集は、仕事の都合で今回渡独できなかった父親が見つけ、飛行機が好きな和奏さんと2つ上の兄、母親が家族ぐるみで考えて応募したという。ハンブルク工場は祖父母を交えた家族5人で訪れ、A320やA380の最終組立工場などを見学し、喜びの声をあげていた。

A380最終組立工場で胴体を持ち上げるポーズを取る和奏さんら=8月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 式典後に10号機の機内に案内された和奏さんは、客室乗務員用の座席に座って機内アナウンスを行ったり、コックピットの機長席に座り、APJの整備士に質問をして楽しんでいた。

 「荷物を預けたり、迷子を案内するのがかっこいいと思った」と話す和奏さんの将来の夢は、空港の地上係員(グランドスタッフ)。機内での体験後は、客室乗務員やパイロットにも興味を持ったようだった。

 APJはA320の初号機を2011年11月に受領。今後2015年までに7機を受領し、17機体制の構築を予定している。

 APJに引き渡された10号機は現地時間7日午前にハンブルクを出発し、愛称は同社の拠点である関西空港に到着後、機首左側に貼り付けられる。

エアバスのハンブルク工場に駐機中の10号機=8月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

エアバスのハンブルク工場に駐機中の10号機JA810P=8月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

兄とともにコックピットに座る和奏さん=8月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

愛称「WING OF TOHOKU」は関空へ到着後、機首左側に貼り付けられる=8月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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