ボーイング, 業績, 機体 — 2022年1月27日 12:15 JST

ボーイング、3年連続最終赤字 787納入停止影響、21年通期

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 ボーイングが現地時間1月26日に発表した2021年通期決算は、純損益が42億9000万ドル(約4912億円)の赤字(20年通期は119億4100万ドルの赤字)で、3年連続での通期赤字となった。単通路機737 MAXの納入再開により赤字幅は縮小したものの、主力中型機の787型機が製造時の品質問題により納入停止が続いていることなどが影響した。

21年通期の純損益が42億ドルの赤字となったボーイング=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 売上高は7%増の622億8600万ドル、営業損益は29億200万ドルの赤字(同127億6700万ドルの赤字)、年金や退職金給付の経費を除外した中核営業損益は40億7500万ドルの赤字(同141億5000万ドルの赤字)だった。

 民間航空機部門は、売上高が21%増の194億9300万ドルで、営業損益は64億7500万ドルの赤字(前年同期は138億4700万ドルの赤字)だった。納入を再開した小型機737 MAXが好調だった一方、787が7月以降は納入ゼロが続いていることが響いた。キャンセル分を差し引いた純受注機数は535機、受注残は4200機以上で、金額ベースでは2970億ドルとなった。

 737 MAXは2020年12月に引き渡しを再開し、2021年に245機を納入。総納入数の72%が737 MAXとなった。1月24日時点で30万回以上を飛行し、合計の飛行時間は80万時間を越えているという。737の現在の生産レートは月産およそ26機で、今年初頭には月産31機への引き上げを見込んでいる。

 一方で、FAA(米国連邦航空局)から製造時の品質問題を指摘されている787は、現在納入再開に向けた修正作業を進めている。10-12月期(第4四半期)に修正が長期化することが判明したため、航空各社への遅延金で35億ドルを計上した。

 現在の生産レートについて、ボーイングのデビッド・カルフーン社長兼CEO(最高経営責任者)は「非常に低い生産率」と説明。納入再開後、時間をかけて月産5機に戻ると予想している。納入再開時期への言及はなかった。

関連リンク
Boeing
ボーイング・ジャパン

ボーイング2021年受注、エアバス超え 納入7割が737MAX(22年1月12日)
ボーイング、2四半期ぶり最終赤字 787納入停止響く、21年7-9月期(21年11月17日)
ボーイング、黒字転換7四半期ぶり 旅客機納入上向き、21年4-6月期(21年7月29日)
ボーイング、最終赤字も損失縮小 納入は9四半期ぶり前年超え、21年1-3月期(21年5月6日)
ボーイング20年通期、純損失119億ドル 787、3月から月産5機に再減産(21年1月30日)


これより先は会員の方のみご覧いただけます。

無料会員は、有料記事を月あたり3記事まで無料でご覧いただけます。
有料会員は、すべての有料記事をご覧いただけます。

会員の方はログインしてご覧ください。
ご登録のない方は、無料会員登録すると続きをお読みいただけます。

無料会員として登録後、有料会員登録も希望する方は、会員用ページよりログイン後、有料会員登録をお願い致します。

会員としてログイン
 ログイン状態を保存する  

* 会員には、無料個人会員および有料個人会員、有料法人会員の3種類ございます。
 これらの会員になるには、最初に無料会員としての登録が必要です。
 購読料はこちらをご覧ください。

* 有料会員と無料会員、非会員の違いは下記の通りです。
・有料会員:会員限定記事を含む全記事を閲覧可能
・無料会員:会員限定記事は月3本まで閲覧可能
・非会員:会員限定記事以外を閲覧可能

* 法人会員登録は、こちらからお問い合わせください。
* 法人の会員登録は有料のみです。

無料会員登録
* 利用規約 に同意する。
*必須項目新聞社や通信社のニュースサイトに掲載された航空業界に関する記事をピックアップした無料メールニュース。土日祝日を除き毎日配信しています。サンプルはこちら
登録内容が反映されるまでにお時間をいただくことがございます。あらかじめご了承ください。
  • 共有する:
  • Facebook
  • Twitter
  • Print This Post
キーワード: