エアライン, 企業, 官公庁, 空港 — 2021年10月28日 15:30 JST

ソラシド、宮崎から都内へ当日配送スタート 密閉箱で空陸一貫、常温車で冷蔵品輸送

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 宮崎空港に本社を置くソラシドエア(SNJ/6J)は10月27日から、陸送と航空輸送を自社で担う小口貨物輸送を開始した。宮崎市内から東京と横浜、川崎の指定エリアに当日配送するサービスで、同事業の開始に伴い、いちご(2337)とグループ会社の宮交シティの2社との事業提携も始めた。いちごが運営する東京・新宿のホテル「THE KNOT」で28日、11月に提供する宮崎県産の地鶏を使ったメニューを紹介した。

ソラシドエアのソラチョク便で輸送する宮崎県産の食材を使用した料理=21年10月28日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

—記事の概要—
宮崎から東京・神奈川へ当日配送
宮崎県産食材を県外でも
髙橋社長「宮崎は食材王国」

宮崎から東京・神奈川へ当日配送

 空陸一貫の高速小口貨物輸送事業は「ソラチョク便」と命名。ソラシドが荷主からの引き取りや納品など宮崎市内を出発する陸送と、自社便による空輸を一貫して引き受けるもので、九州の生鮮品などを当日中に関東の指定エリアへ配送する。

 集荷先は宮崎市内で、宮崎空港を午後0時45分に出発する6J58便で輸送する。配送先は東京23区のうち中野区や豊島区、荒川区など17区、横浜は鶴見区や港南区、保土ケ谷区など9区、川崎は川崎区から高津区までの4区が対象となる。

 27日から法人と個人事業主向けに開始し、11月1日からは個人向けにも提供する。法人・個人事業主向けのサービスは、配送契約が必要となる。個人向けは、ソラシドの受注フォームから申し込み後に利用する。

 ソラシドは今年3月から、高速小口貨物輸送の試験運用を開始。川崎駅前のホテルで物産展「ソラシドマルシェ」を開催し、県産の野菜や果物などを試験的に空輸した。

宮崎県産食材を県外でも

 ソラチョク便の開始に伴い、ソラシドといちご、宮交シティの3社は事業提携をスタート。11月1日から30日まで、いちごが運営する東京・新宿のホテル「THE KNOT TOKYO Shinjuku」で九州産の食材を使用したメニュー「宮崎フェア」を開催する。宮崎市田野町で育った地頭鶏(じとっこ)を午前中に出荷し、同日の夕方に新宿のホテルに届ける。陸送と空輸はソラシドが担う。メニューには、宮崎県中西部の綾町で収穫した葉付きニンジンやサツマイモなどの有機野菜も使用し、これまで県内を中心に消費されていた宮崎県産の農畜産物を、県外での消費拡大にもつなげる。

 メニューに使用する生鮮食品は、宮崎県が進める持続的なローカルフードビジネスを創出するプロジェクト「食農連携プロジェクト(LFP)」に参画する生産者の農産物を使用する。

 陸空輸送には、旭化成(3407)の青果輸送・保管システム「Fresh Logi(フレッシュロジ)」を活用。生鮮食品を密閉型の箱に入れ、温度や湿度などの外部環境の影響を防止するシステムで、従来は冷蔵車が必要だった鮮度を保持したままの低温輸送が、常温車で可能となる。

 旭化成によると、Fresh Logiで使用する密閉ボックスは一般的な発泡スチロールと比べ熱伝導率が半分で、保冷性能が2倍になるという。また常温車で輸送することから、冷蔵車のドア開閉時に暖かい空気が庫内に入り、商品にダメージが発生する「ヒートショック」も起きず、常温品と冷蔵品を同時に運べるようになる。

ソラシドエアがソラチョク便で使用する旭化成の密閉ボックス=21年10月28日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

ソラシドエアがソラチョク便で使用する旭化成の密閉ボックス内部=21年10月28日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

髙橋社長「宮崎は食材王国」

「宮崎は食材王国」と語るソラシドの髙橋社長=21年10月28日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 ソラシドエアの髙橋宏輔社長は「ソラチョク便」の開始により、新型コロナウイルスの影響で落ち込んでいる業績回復を狙う。髙橋社長は同事業について、宮崎県で事業を展開するいちごと宮交シティのほか、LFPを進める宮崎県、宮崎県で創業した旭化成を含め「“オール宮崎”のような事業」と表現。「宮崎は食材王国、というのをアピールしたい」と意気込みを語った。

 いちごは2022年に、宮崎市と神奈川・横須賀市にそれぞれの県の食材を取り扱う施設をオープン。2カ所の施設を活用し、宮崎の食材を横須賀で、湘南地域の食材を宮崎で、相互に販売する。宮交シティの会長兼社長を兼職するいちごの石原実副社長は、ソラシドとのソラチョク便の事業提携について、県産食材は東京の消費者に購入してもらうことで付加価値が高まるとし、「当日中に配送できるのは競争力。ソラシドの空陸一貫と旭化成の箱により、点と点が線になった」と述べた。

 今後は空陸一貫輸送を通じ、これまでは地産地消だった宮崎の食材を、主要市場である首都圏での消費拡大を狙う。従来の陸送の場合、輸送時間がかかり鮮度が落ちることから、食材を県外に出すことに及び腰の事業者も多く、ソラチョク便を通じ物流の活性化を狙う。

ソラチョク便で事業提携するソラシドの髙橋社長(中央)といちごの石原副社長(左から2人目)ら=21年10月28日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

THE KNOT TOKYO Shinjukuの「宮崎フェア」で提供するみやざき地頭鶏のグリル=21年10月28日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

THE KNOT TOKYO Shinjukuの「宮崎フェア」で提供する葉付き人参の藁焼き=21年10月28日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

THE KNOT TOKYO Shinjukuの「宮崎フェア」で提供する薩摩芋のニョッキ=21年10月28日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

THE KNOT TOKYO Shinjukuの「宮崎フェア」で提供する野菜グリル=21年10月28日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

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