エアライン, ボーイング, 機体, 解説・コラム — 2020年11月27日 18:10 JST

ANA、公募増資で最大3321億円調達 787で777置き換え

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 全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は11月27日、公募増資で最大約3321億円を調達すると発表した。新たに最大1億4000万株を発行することで株式数は最大約4割増え、希薄化率は29.5%となる。2000億円を発注済みのボーイング787型機の導入費用や既存機の客室改修などに充て、残りを長期債務の返済に充当する。

*新株は1株2286円に決定。記事はこちら

公募増資を実施するANAホールディングス。787を長距離国際線にも投入していく=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ANAHDの発行済み株式総数は、27日現在3億4849万8361株。公募増資は国内外で実施し、国内75%、海外25%の販売比率を見込む。国内ではオーバーアロットメントにより最大1369万株の売り出しを予定している。公募価格は12月7日にも決定し、払込は14日から16日までに行われる。

 787は標準型の787-8、長胴型の787-9、超長胴型の787-10の3機種で構成され、ANAHDはこれまでに98機の787を発注済み。11月1日時点で受領済みの機体は787-8が発注済みの36機すべてを受領。787-9は36機、787-10は2機受領している。

 今回調達する資金は、2012年8月と今年3月に発注した787-9と787-10の2機種合わせて24機の購入に充て、今年11月以降に受領して大型機の777を置き換えていく。10月27日に発表した事業構造改革では、777など35機を今年度内に退役させるとしており、欧米など長距離国際線に投入している777-300ERも経年機を中心に13機が退役する。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、長距離国際線の主力である出張需要の大幅な戻りが見込めない中、これまではファーストクラスがある777-300ERで運航してきた便にも787を投入し、需給適合を図る。

 ANAの787では、現時点でファーストクラスを設けている機材はないが、777-300ERに2019年から導入している新しいビジネスクラスは、個室タイプのシートを採用している(関連記事)。

 客室改修では、ビジネスクラスとプレミアムエコノミー、エコノミークラスの比率見直しを検討。空港の省力化、顧客管理データシステムなどにも投資する。

 今年度に退役する35機の内訳は、777-300ERが13機(年度当初計画はゼロ)でもっとも多く、国内線用777-300が2機(同)、777-200/200ERが8機(当初計画は1機)、中型機の767-300/300ERが6機(同1機)、小型機の737-700が4機(同3機)、737-500が2機(6月までに退役済み)。35機のうち10月の発表で追加となったのは28機で、777-300ERと777-300は初の退役機が出る。

 また、ANAHDはFSC(フルサービス航空会社)のANA本体と、LCC(低コスト航空会社)のピーチ・アビエーション(APJ/MM)に続く第3ブランドとして中距離国際線LCCを2022年度をめどに就航させるが、今回の増資は主にANA本体の設備投資に充てる。

 日本航空(JAL/JL、9201)も、11月6日に公募増資を実施すると発表し、18日に新株発行価格が1株1916円に決定。最大約1826億円を調達し、エアバスA350型機の購入資金や、LCCビジネスに投資する(関連記事)。

*新株は1株2286円に決定。記事はこちら

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