エアライン, 企業, 空港 — 2019年2月28日 06:00 JST

【PR】「グランドスタッフの通話が途切れない」特集・空港を支えるTETRA無線システム (4)バニラエア編

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 第3回からの続き。災害発生時も、確実な通信手段の確保が求められる空港の業務。欧州統一規格の公共安全機関向けデジタル移動通信システム「TETRA(TErrestrial Trunked RAdio)」は世界約80の空港で採用実績があり、日本では現在、成田空港と那覇空港で従来の空港MCA無線に代わる通信基盤として稼働している。

 

 TETRAは羽田空港や中部空港(セントレア)でも運用が始まるほか、約20の地方自治体では防災無線システムとして採用されている。専用の基地局を設置するTETRAは、携帯電話網の輻輳(ふくそう)や障害の影響を受けない。そして、シンプルで冗長化が図られたシステム構成などで、高い信頼性と安定性が得られることから、日本の空港への導入拡大が見込まれる無線システムだ。

 すでに導入している空港の現場では、TETRAをどう評価しているのだろうか。最終回の今回は、成田空港を拠点とするANAホールディングスが100%出資するLCC、バニラエアを尋ねた。

初心者もすぐ使える

 バニラエアでは、グランドスタッフ(旅客係員)が小型軽量化されたTETRA端末「ST7000」を使用。長めのストラップをたすき掛けにし、肩からST7000をぶら下げている。マイクやPTT(プッシュ・トゥ・トーク)ボタンは本体のものを使い、イヤホンを付けて通話している。

 

 

 同社で無線端末を管理する総務部総務グループの管理職は、「従来のMCA無線より通話品質が格段に向上しました。通話が途切れず、トンネルでも会話ができます」と、TETRA導入により通話品質が大きく改善したと話す。以前は必要なところで無線が入らなくなるなど、通話に苦労する場面もあったという。

 また、グランドスタッフは女性が多く、「無線機が重い」という声が出ており、スタッフが働きやすくなる無線システムを探していた。

 空港業務に最適化されたST7000は、小型軽量なだけではなく、現場に必要な機能に絞られている点も特徴。「初めて使う人もすぐ習熟できます。薄くて頑丈なのもいいですね」と評価する。

 バニラエアが使用するターミナルは、LCC専用の第3ターミナル。運航に支障がない場所では、当初は無線が入りにくいところがあったものの、成田空港でTETRAのサービスを提供している日本空港無線サービス(NAR)が、屋内アンテナの増設などの対処をしたことで、すぐに改善されたという。

 「航空会社で一番大事なことは、運航品質を維持すること。故障時にもすぐに対応してもらえます」と、保守態勢も評価した。

整備士発案で用途広がる

 TETRAは高品質な音声通話だけではなく、柔軟なグループ設定機能や拡張性も特徴だ。バニラエアでは、「ここでも電波が入るから、こういう使い方はできないか? と現場から提案がありました」と、現場の社員からの発案で、従来の無線機にはなかった活用方法が生まれたという。

 

 「ノイズリダクションハンガーでも無線が使えたので、整備士が整備部門だけのやり取りにも使えると、グループを設定して使い始めました」と、ターミナルから離れた航空機のエンジン試運転に使う格納庫などでも、TETRA端末を活用している。

 バニラエアでは成田だけではなく、那覇空港でもTETRAを導入している。両空港ともNARがサービスを提供しており、空港間の連絡にも活用可能だ。

 「全就航先で使えれば、運航品質の向上にもつながります。運航の最終的な判断を成田で下すことが多いので、空港間のコミュニケーションにも使いたいですね。テキストメッセージ機能など、まだ使い切れていないものがあると思います」と、拡張性の高いTETRAに期待を寄せた。

 音声通話にとどまらず、テキストメッセージ機能や位置情報の活用など、多彩な機能を持つTETRA。世界各地の空港での採用実績に裏付けられるように、高い信頼性と安定性は、台風や大雪、地震など自然災害の多い日本の空港で、真価を発揮するだろう。

(おわり)

制作協力:モトローラ・ソリューションズ

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日本空港無線サービス
DIMETRA™(ダイメトラ)・TETRA(テトラ)デジタル防災行政無線/空港・鉄道無線システム

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