ボーイング, 機体, 空港 — 2018年10月5日 17:50 JST

セントレアの787施設、内部先行公開 12日開業「Flight of Dreams」

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 中部空港(セントレア)を運営する中部国際空港会社は10月5日、1週間後の12日にオープンするボーイング787型機を展示する複合商業施設「Flight of Dreams(フライト・オブ・ドリームス)」を、報道関係者向けに先行公開した。9つの体験型コンテンツを用意するほか、米国外では初となるボーイングストアを常設。商業エリアでは、ボーイングの創業地・米シアトルの街並みを再現する。

Flight of Dreamsで展示される787-8初号機=18年10月5日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

—記事の概要—
体験型コンテンツ9種類
米国初出店ボーイングストア
翼の下で食べられるフードコート
年間150万人目標
展示エリア1200円

体験型コンテンツ9種類

 Flight of Dreamsは、9種類の体験型コンテンツを提供する有料の展示エリアと、飲食や物販などの16店舗が入居する、無料の商業エリアで構成。展示エリアは「Flight Park(フライトパーク)」、商業エリアは「Seattle Terrace(シアトルテラス)」と命名した。

 フライトパーク内の「ZA001コックピット」では、施設内に展示するボーイング787-8型機の飛行試験初号機「ZA001」(登録番号N787BA)の操縦席を公開する。窓の外は空の風景を映し出し、飛行した状態を再現した。一度に10人近く見学できるが、コックピットは透明の板で間仕切りしているため、操縦席に座ることはできない。

 米シアトル郊外にあるボーイングのエバレット工場を再現した「ボーイングファクトリー」では、工場内を疑似体験。機体の製造工程を学ぶことができ、747-400を改造した大型輸送機「ドリームリフター」で運ばれた部品が、どのように機体になっていくかをデジタル映像で紹介する。デジタルコンテンツは、チームラボ(東京・千代田区)がプロデュースする。

 また、787のコックピットを再現したシミュレーターも用意。コックピットに入り記念撮影できるほか、インストラクターが指導し、操縦に挑戦できる。シミュレーターのみ、展示エリアの入場料のほか別途料金がかかる。

 フライトパークのコンテンツは、787を運航する全日本空輸(ANA/NH)と日本航空(JAL/JL、9201)の航空2社や、部材を製造する重工各社など、787と関係の深い会社がスポンサーとして参画する。

Flight of Dreamsで展示する787-8初号機のコックピット=18年10月5日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

Flight of Dreamsの787シミュレーター=18年10月5日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

米国初出店ボーイングストア

 ボーイングのオフィシャルグッズを販売するボーイングストアは、現在米国で14店舗を展開。Flight of Dreamsの開業に合わせ、米国外では初出店する。米国直輸入のグッズなど500点を販売するほか、菓子やぬいぐるみなどのオリジナルグッズも用意する。このほかモデルプレーンや、機体で使用した部品を再利用した商品も取り扱う。

 中部空港会社が直営し、施設内の1階で営業する。有料の展示エリアを見学後に利用できる動線としつつ、無料の商業エリア利用者も入店できるようにする。

米国外初出店となるボーイングストア=18年10月5日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

翼の下で食べられるフードコート

 飲食店とグッズを取り扱う商業エリア・シアトルテラスは、シアトルや隣接するオレゴン州をテーマに展開。16店舗が入居する。2階にはフードコート7店舗を設け、787の主翼下などで食事できるようにした。座席数は350席。

 3階には、シアトル発祥のスターバックスコーヒーのほか、シアトルで展開するレストランバー「THE PIKE BREWING(パイクブリューイング)」が入居。パイクは1989年にシアトルで創業したビール醸造所で、ビールのほかハンバーガーなどの食事も提供するほか、土産用のビールも販売する。

 16店舗のうち、日本初出店となるのが5店舗。シアトルをイメージした新業態が8店舗となる。

年間150万人目標

Flight of Dreamsの年間来場者目標を150万人とする中部国際空港会社の友添社長=18年10月5日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 5日に、展示する787の前で取材に応じた中部国際空港会社の友添雅直社長は、同施設について「これまで、空港は玄関口だった。これからは皆さんが来て楽しめる空港にしたい」と述べた。年間の来場者数は150万人を見込み、中部国際空港会社が整備を進めているLCC用の新ターミナルビルと、愛知県が建設を予定するコンベンションセンターが開業を予定する2019年9月以降は、年間300万人を目標とするとした。

 開業は当初、今年の夏を予定していたが、夏の繁忙期には駐車場が混雑すること、新ターミナルビルの工事により駐車スペースが大幅に減少することから、混雑や混乱を避け、10月の開業となった。友添社長は、開業が遅れたことについて「心が痛い。最終点検や(機体の)ドレスアップなどに時間がかかった」と陳謝。「(遅れた分)たくさん来てもらえるように工夫する」と述べた。

展示エリア1200円

 Flight of Dreamsは、中部空港会社が整備を進めている新ターミナルビルの近くに建設。地上4階建てで高さ24メートル、建築面積は6500平方メートル、延床面積は1万1000平方メートルとなる。

 1階と4階が機体をはじめ、製造工程や飛行機が飛ぶ仕組みなどを学べる展示エリアとし、2階と3階をフードコートなどが入居する商業施設にする。展示エリアへの入場は有料となる。

 展示エリアの入場料は、大人(中学生以上)が1人1200人、20人以上の団体の場合は同1100円。子供(3歳から小学6年生)は1人800円、団体は同700円で、3歳未満は無料となる。

 シミュレーターは、5分の写真撮影コースが1組1080円。15分間操縦する体験コースは3240円で、このほか30分や60分コースも用意する。

 営業時間は、展示エリアが午前10時から午後5時で、最終入場が午後4時30分。土曜日のみ最終入場が午後6時30分となり、午後7時まで営業する。入場無料の商業エリアも午前10時からで、物販店は午後6時まで、飲食店は午後10時まで。

Flight of Dreamsでデジタル装飾される787-8初号機=18年10月5日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

関連リンク
Flight of Dreams
中部国際空港 セントレア
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ボーイング・ジャパン

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