ボーイング, 官公庁, 機体 — 2018年4月27日 21:56 JST

KC-46A、FAAの認証取得向け飛行試験完了

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 ボーイングは現地時間4月26日、開発が進む米空軍向け空中給油・輸送機KC-46Aについて、FAA(米国連邦航空局)のSTC(Supplemental Type Certificate、追加型式設計承認)取得に向けた飛行試験を終えたと発表した。

F/A-18に空中給油するKC-46A(ボーイング提供)

 KC-46Aは今回、大型輸送機C-17グローブマスターIIIに対する空中給油に成功。STCを取得するために必要な飛行試験を完了した。

 KC-46Aは旅客機の767-200型機を母機とした空中給油・輸送機。コックピットは787と同様15インチ・ディスプレイを装備している。エンジンは米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)製PW4062で、最大離陸重量は41万5000ポンド、搭載燃料は21万2299ポンド。空中給油のほか、輸送機として人員や物資、負傷者を運べる。

 給油方式は、米空軍機が採用するフライングブーム方式のほか、米海軍・海兵隊機のプローブ・アンド・ドローグ方式の2形式に対応。ブームはフライ・バイ・ワイヤ方式の最新型で、給油オペレーター席には24インチの高解像度3Dディスプレイが備えられる。また、前部胴体上部には自らブーム方式で給油を受けられる給油口を備える。

 STC取得に向けた飛行試験では、両方式の検証が行われたほか、飛行試験するKC-46Aに対し、空中給油機のKC-135やKC-10、別のKC-46Aから給油する試験や、夜間の給油に関する試験なども実施された。

 ボーイングはワシントン州シアトルのエバレット工場で、2027年までに米空軍向け179機の製造を予定。現在は34機を受注している。また、航空自衛隊も3機導入する計画を進めている。

関連リンク
KC-46ペガサス(ボーイング・ジャパン)
Boeing
ボーイング・ジャパン
防衛省
航空自衛隊 美保基地
KC-767(航空自衛隊)

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