エアライン, 機体, 解説・コラム — 2018年3月20日 13:30 JST

最後に残った緑のANA機 写真特集・さよならエコボン

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 3月12日で7年3カ月にわたる運航を終えたANAウイングス(AKX/EH)の特別塗装機「エコボン」。青を基調としたANAグループの機体の中で、緑色のラインが特徴的だったが、リペイントの時期が巡ってきたことで、通常塗装への塗り直し作業が進められている。

伊丹空港に並ぶエコボン2号機JA857A(手前)と初号機JA856A(中央)、通常塗装機=17年11月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 エコボンは、カナダのボンバルディアが製造するターボプロップ(プロペラ)機DHC-8-Q400型機の特別塗装機。全部で3機あり、最初の機体(登録番号JA856A)は2010年11月9日に就航し、2号機(JA857A)は2011年5月13日、最後の3号機(JA858A)は同年10月21日に引き渡された。いずれも新造機で、就航時からエコボン塗装で登場した。

 エコロジーの「エコ」と、フランス語で「良い旅を!」を意味する「ボン・ヴォヤージュ(Bon Voyage)」から名付けられた。Q400がCO2(二酸化炭素)排出量削減や騒音低減といった環境性能に優れていたことや、ANAホールディングス(9202)傘下で地方路線を担うANAウイングスが、ANK(エアーニッポンネットワーク)とエアーネクスト、エアーセントラルの3社を統合し、2010年10月1日に発足したことなどを記念したものだった。

 機体デザインは、ANAグループの通常塗装「トリトンブルー」をベースに、ブルーの部分を若葉をイメージしたグリーンに変更。機体前方に「エコ・ファースト」マーク、エンジン部分には「ECO Friendly Airline(地球に優しいエアライン)」と記した。

 3機のうち、もっとも早く通常塗装にリペイントされたのは3号機。エコボンとしての運航を2017年1月6日で終え、同月30日に通常塗装で復帰した。その後、初号機がエコボンとしての運航を12月4日で終了し、同月26日に通常塗装で復帰している。

エコボン最終便の運航を終えたANAウイングスのJA857A=18年3月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 最後に残った2号機は、エコボンとして最終日の12日は計7便に投入。新潟を午前7時43分に出発した札幌(新千歳)行きNH1857便を皮切りに、新千歳を起点として女満別と秋田、青森へ飛んだ。最終便となった青森発伊丹行きNH1856便は、午後6時43分に伊丹へ到着した。

 NH1856便にはパイロットの森裕二機長と石田高也副操縦士、客室乗務員の中平ゆずさんと松井有里さんが乗務。中平さんと松井さんは、乗客一人ひとりに名前を尋ねて手書きした搭乗証明書を、エコボンのペーパークラフトとともに手渡した。

 エコボン最後の機体となった2号機は、13日からリペイント作業に着手。23日には、通常塗装で運航復帰を予定している。

 ANAの機材の中で、現行のトリトンブルーのデザインのうち、コーポレートカラーであるブルーの部分を他の色にしたものはエコボンの3機と、「ゴールドジェット」の愛称で親しまれたボーイング737-700型機の初号機(JA01AN)と2号機(JA02AN)の計5機のみ。ゴールドジェットは、名古屋の中部空港(セントレア)をベースに当初運航していたことから、名古屋城の「金鯱」にちなんで金色となった。

 両機はゴールドジェットとしての運航は終えており、トリトン塗装で色違いの機材はエコボン終了で消滅した。

 本写真特集では、初号機と2号機が伊丹空港に並んだ様子や、最終日の様子を取り上げる。

*写真は64枚(伊丹に並ぶエコボン→最終日の順)

エコボン最終便の運航を終えたANAウイングスのJA857A=18年3月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

エコボン最終便の運航を終えたANAウイングスのJA857A=18年3月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

伊丹に並ぶエコボン

伊丹空港に並ぶエコボン2号機JA857A(手前)と初号機JA856A(中央)、通常塗装機=17年11月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

伊丹空港を出発するエコボン2号機JA857A(手前)=17年11月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire


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