エアライン, 機体, 空港, 解説・コラム — 2018年2月1日 11:10 JST

ジェイエア、CRJ退役 18年の歴史に幕、大貫社長「社員が助け合って飛ばしてきた」

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 日本航空(JAL/JL、9201)グループで地方路線を担うジェイエア(JAR/XM)のボンバルディアCRJ200型機が1月31日、全機退役した。最盛期は9機が在籍したものの、1月は鶴丸塗装の8号機(登録番号JA208J)と、アーク塗装の9号機(JA209J)のみとなり、最終便となった8号機による松山発伊丹行きJL2310便の到着により、2001年の就航以来約18年の歴史に幕を下ろした。

最終便の運航を終え退役するジェイエアのCRJ200 8号機と横断幕を手に記念撮影するジェイエアの大貫社長と社員ら=18年1月31日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

アーク塗装で退役したジェイエアのCRJ200 9号機=18年1月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 CRJ200は、カナダのボンバルディア・コマーシャル・エアクラフトの前身となるカナディアが開発し、1978年に初飛行したビジネスジェット機「チャレンジャー600」をベースとするリージョナルジェット機。CRJは、Canadair Regional Jet(カナディア リージョナル ジェット)の略で、1クラス50席のCRJ200は生産を終えている。

 ジェイエアでは、初のグラスコックピット機としてCRJ200を導入。2001年4月1日に、初号機(JA201J)と2号機(JA202J)が就航した。

 最後に残った2機は、8号機が2005年12月15日に引き渡された機体で、9号機は2006年3月30日に受領。両機には昨年12月に特別塗装が施され、機体前方左側の搭乗ドア横に記念ロゴ、エンジンカウルには就航当時のジェイエア初代塗装のT字尾翼ロゴを描いた。

CRJ200退役セレモニーであいさつするジェイエアの大貫社長=18年1月31日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

 運航最終日の1月31日は、2機のCRJで8便を運航した。このうち6便を担当した9号機が一足早く退役。福岡発伊丹行きJL2058便が最終となり、午後5時26分に伊丹へ到着した。

 ジェイエアのCRJとして最終便となったのは、8号機による松山発伊丹行きJL2310便。松山を午後7時24分に満席で出発した。伊丹には午後8時19分に24番スポット(駐機場)へ到着し、全機が退役となった。大貫哲也社長をはじめ、ペンライトを持った社員が最終便を出迎えた。

 最終便に乗務したCRJ運航乗員部部長の餅原隆史機長と菅井大副操縦士、客室乗務員の相原未乃さん、谷葉子さんには、大貫社長らから花束が贈られた。

 大貫社長は、「9機のフライトは地球を3500周、総飛行時間29万4084時間30分、31万1521回にのぼり、のべ18年にわたり日本の空を駆け抜けてきた。就航時の広島西飛行場、名古屋の小牧空港、2011年3月1日に本社を移した伊丹空港と、ジェイエアの発展はCRJとともにあったと言って差し支えないだろう」と、CRJと会社の発展を重ね合わせた。

 「今のテクノロジーからは1世代前の機体で、社員が色々工夫して助け合い、みんなで飛ばしてきた。その結果として、ジェイエアの社風であるお客様に寄り添う、アットホームな会社ができたと思う」(大貫社長)と、1便を飛ばすための苦労が多いことが、チームとしての絆を深めたという。

 最後に操縦桿を握った餅原機長は、「CRJは体力がなくなり、よれよれでゴールのテープを切ったのではなく、まだまだ走れるぞと、しっかりテープを切ってくれたと思う。バトンをエンブラエル機に渡したい」と、感想を語った。

 退役セレモニー後は、8号機に社員が寄せ書きをし、別れを惜しんだ。

8号機と9号機の最終便
JA208J
JL2310 松山(定刻19:20 実績19:24)→伊丹(定刻20:15 実績20:19)

JA209J
JL2058 福岡(定刻16:25 実績16:23)→伊丹(定刻17:30 実績17:26)

*写真は10枚。

ペンライトを手にした社員らに出迎えられ伊丹空港に到着するジェイエアのCRJ200による最終便松山発JL2310便=18年1月31日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

ペンライトを手にした社員らに出迎えられ伊丹空港に到着するジェイエアのCRJ200による最終便松山発JL2310便=18年1月31日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

伊丹空港に到着したジェイエアのCRJ200による最終便松山発JL2310便から降機する乗客を横断幕を手に出迎える社員ら=18年1月31日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

CRJ200退役セレモニーであいさつする餅原機長(左から2人目)=18年1月31日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

退役するCRJ200の機体にメッセージを書き込むジェイエアの社員ら=18年1月31日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

退役するジェイエアのCRJ200の機内で記念撮影に応じるジェイエアの大貫社長(中央から時計回り)と餅原機長、相原CA、谷CA、菅井副操縦士、沖田整備士=18年1月31日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

退役するCRJ200のコックピットで記念撮影に応じるジェイエアの餅原機長(左)と菅井副操縦士=18年1月31日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

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ジェイエア
Bombardier CRJ Series
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