エアライン, 空港 — 2016年12月5日 21:00 JST

ANA、保安検査通過時の用紙変更 「立ち乗り」再発防止で

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 全日本空輸(ANA/NH)は、福岡空港で9月30日に起きた搭乗手続きが済んでいない乗客が搭乗し、一時「立ち乗り」になったトラブルの再発防止策として、空港の保安検査場と搭乗口で発行する用紙の内容を、12月1日から変更した。

空港の保安検査場で乗客に手渡すANAの「保安検査証」(同社サイトから)

搭乗口でANAの地上係員が手渡す「ご搭乗案内」(同社サイトから)

 乗客自身が予約時に手続きすることで、空港でのチェックインを省略する「スキップサービス」を利用する場合、従来は保安検査場でANAのIC機能付きマイレージクラブカードや、2次元バーコード(QRコード)を読み取り機にかざすと、搭乗者名や搭乗便名、行き先、搭乗口、座席番号などが書かれた用紙「ご搭乗案内」を乗客に渡していた。12月からは、同じ記載内容で名称を「保安検査証」に変更し、用紙を白色から黄色のものに変えた。

 搭乗口では、2013年12月3日から中止していた用紙の配布を再開。搭乗者名や便名、座席番号などが書かれたピンク色の「ご搭乗案内」を、地上係員が乗客一人ひとりに手渡す。2013年に用紙配布を止めた際は、搭乗口に新型の自動改札機(フラッパーゲート)を本格導入。従来は2-3人の地上係員で対応していた搭乗口業務を、1人で行えるようにし、常駐人員を削減した。

 今回の変更は、ANAが10月25日に国土交通省航空局(JCAB)へ提出した再発防止策に基づくもの。保安検査場と搭乗口で、従来よりも明確に乗客が保安検査を受けているかなどを確認出来るようにした。再発防止策では、地上係員の増員や確認体制の強化など、7つの対策を掲げている。

 ANAは10月以降、保安検査場で二次元バーコードなどをかざす端末に、カバーを付ける対策を実施。係員が見ていない間に、乗客が搭乗券をかざしてしまうトラブルを防ぐための措置で、検査場の係員が乗客に背を向ける際は端末をカバーで覆い、搭乗券の二次元バーコードなどをかざせないようにした。

ANAが保安検査場と搭乗口で手渡す用紙の変遷(Aviation Wire作成)

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