エアライン — 2016年10月15日 08:10 JST

JAL、CAブリーフィング室に”滑走路” 安全運航願う

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 客室乗務員が出発前にブリーフィングする部屋に、“第5滑走路”が出現!? 3月末、日本航空(JAL/JL、9201)は羽田空港内のオフィスにある客室乗務員のブリーフィングルームのカーペットを張り替えた際、通路を示す部分に羽田の滑走路番号にあやかった番号を社員が手作りで入れた。

羽田のブリーフィングルームにある“滑走路”から出発するJALの客室乗務員=16年10月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 滑走路番号は、滑走路の両端に書かれた方角を示す番号で、北は磁方位360度の上2桁から「36」、南が180度で「18」、東が90度で「09」、西が270度で「27」。羽田はAからDまで4本の滑走路があり、第1ターミナル側のA滑走路は34L/16R、都心側のB滑走路が22/04、第2滑走路側のC滑走路が34R/16L、海側のD滑走路が23/05となっている。

 A滑走路とC滑走路は平行しており、数字と並ぶアルファベットは、Lが「Left(左)」、Rが「Right(右)」を示す。A滑走路の場合、北へ向かって離陸する海側の滑走路端に「34L」、南へ向かう都心側に「16R」と書かれている。

 羽田を拠点とするJALの客室乗務員が出発前に集まるブリーフィングルームは、A滑走路に対して平行に建てられた第1ターミナル内にある。カーペットの張り替え前は、ブリーフィングエリアなど大半の部分がグレーのカーペット、通路をさくら色としていた。通路は客室乗務員がひっきりなしに往来するため、ブリーフィングする場所と明確に分けていた。

 今春張り替えた際、この通路部分をコーポレートカラーに合わせて赤に変えた。多くの客室乗務員は、ブリーフィングを終えると部屋の南側にある出入口からフライトに向かい、羽田に着くと同じ出入口から帰ってくる。

 滑走路番号を入れた客室本部客室乗員サポート部の梅津洋輔さんは、「ブリーフィングルームからテイクオフ(離陸)し、フライトを無事に終えてランディング(着陸)して欲しい」と考えて自作した。「番号の縮尺は実物と合せました。ただ、縮尺にこだわりすぎてしまい、もう少し大きくても良かったかもしれません」と笑う。

 A滑走路とC滑走路に挟まれたブリーフィングルームの“滑走路番号”は、34C/16C。Cは「Center(中央)」を示すもので、日本には存在しないが、海外では米国のシカゴ・オヘア国際空港など大規模空港に設けられている。「客室乗務員も数字はピンとくる人が多いですが、『Cってなんですか?』という反応もありますね」と話す。

 客室乗務員の仕事はサービスを提供する以前に、保安要員として万が一事故が起きた際に乗客の安全を確保すること。ブリーフィングでは各自の持ち場や、予約段階で判明している乗客数、機体からの脱出方法など、さまざまなことを確認する。乗務を支援する部署に見守られて、客室乗務員たちは今日もここからフライトへ向かう。

羽田にあるJALのブリーフィングルームの“滑走路”16C=16年10月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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