エアライン — 2016年5月31日 06:05 JST

JAL、ハラール認証の機内食 使い捨て容器導入で区別

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 日本航空(JAL/JL、9201)は5月30日、イスラム教徒(ムスリム)向け機内食の製造工程などで、宗教法人日本イスラーム文化センター(JIT)からハラール認証を受けたと発表した。6月1日から、国際線で認証済みの機内食を提供を開始する。

ビジネスクラスで提供するハラール食(JAL提供)

 ムスリム向け機内食は、使い捨ての食器で提供する。通常、ビジネスクラスなどでは陶器の食器などで提供している。豚肉やアルコール製品など、ムスリム向けでは「タブー」とされる食材を提供している可能性があるため、食器に直接触れないよう、プラスチック製の器に盛り付ける。

 日本発の国際線全線で提供し、希望者は出発の24時間前までにメールか電話で予約する必要がある。

 イスラム教では、豚肉や豚肉由来の製品、アルコールの摂取を禁じている。ムスリム用の食品にはこれらを含まずに調理する必要があり、戒律にのっとって調理したものをハラール(許されたもの)という。ハラール食を提供するには、ハラール認証機関から認定される必要がある。

 JALは食材のほか、製造工程でもムスリム向けを区別することで、ハラール認証を取得した。JALはこれまでムスリム向け機内食を提供していたが、従来は食材を制限するもので、食器や製造過程などを区別していなかった。

 マレーシアやインドネシアなど、ムスリム国家からの訪日客が増加し、国内ではハラール食の導入が進んでいる。JALは空港ラウンジでハラール食を提供し、全日本空輸(ANA/NH)も国際線の機内食に導入。成田や中部(セントレア)などの各空港ではハラール認証レストランや礼拝堂などを設置している。

エコノミークラスで提供するハラール食(JAL提供)

関連リンク
日本航空
日本イスラーム文化センター

JAL、関空国際線ラウンジ刷新 ハラール食提供も(15年7月30日)
ANA、イスラム教徒向け機内食拡大へ ハラールのチキンカレーなど(15年6月26日)
コスモ企業、羽田でハラール機内食 カタール航空向け(14年7月31日)
成田空港、訪日ムスリム受入強化 ハラールレストランや礼拝室など(14年6月1日)
セントレア、イスラム教礼拝室を新設 ハラール食も(14年3月5日)