官公庁, 空港, 解説・コラム — 2026年7月14日 08:53 JST

成田空港、B滑走路延伸29年度供用へ C滑走路は57年ぶり収用手続き準備

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 成田国際空港会社(NAA)の藤井直樹社長は7月13日、成田空港のC滑走路区域で土地収用法に基づく事業認定申請に向けた準備を進め、B滑走路延伸部を2029年度内に先行供用する方針を、金子恭之国土交通相に報告した。建設用地の取得率は約9割で、C滑走路区域で事業認定を申請すれば、開港前の1969年(昭和44年)以来57年ぶりとなる。

成田空港の将来的なターミナル配置イメージ(NAAの資料から)

—記事の概要—
四者協で地元合意
任意取得を継続
C滑走路は供用時期未定

四者協で地元合意

 報告に先立つ10日の「成田空港に関する四者協議会」では、国、千葉県、空港周辺9市町、成田空港を運営するNAAの4者が、C滑走路区域について任意取得を継続しつつ、土地収用制度を活用することをやむを得ないものと受け止めることを確認した。用地確保済みのB滑走路延伸部を2029年度内に先行供用することでも合意した。

成田空港の機能強化に関する進捗状況を金子恭之国土交通相へ報告したNAAの藤井直樹社長=26年7月13日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 成田空港の「更なる機能強化事業」全体の用地取得率は、6月末時点で90.4%。2025年4月に、NAAに対して2025年度末を目標に用地確保を加速するよう、当時の中野洋昌国交相が指示していた。NAAは今年3月末まで任意取得を進めた結果、必要な用地を確実に確保するには、土地収用制度の活用が必要と判断した。

 藤井社長によると、金子国交相はNAAが土地収用制度の活用を含め、事業推進に必要な手続きを進めるものと認識していると述べた。一方、地域の声に真摯に向き合い、制度を活用する場合も、任意取得に向けた努力を誠意を持って丁寧に続けるよう求めた。NAAによると、今回の大臣発言は、手続き開始を命じる新たな指示ではないという。

任意取得を継続

 NAAが準備する「事業認定の申請」は、対象事業に公共性があるとの認定を受けるための手続き。申請前には土地収用法に基づく事業説明会を開く必要があり、新聞に掲載する「公告」などによる周知や申請書の作成、社内体制の検討を進める。説明会や申請の時期は決まっていない。

 事業認定を受けても、直ちに未取得地を収用するものではない。NAAは認定後も地権者との交渉による「任意取得」を続け、合意できない場合に収用裁決申請へ進む。

 任意取得で必要な用地をすべて確保できれば、事業認定申請やその後の収用手続きへ進まない可能性もある。

C滑走路は供用時期未定

 今回の準備対象はC滑走路区域。NAAが「C滑走路区域」とする範囲には、滑走路本体だけでなく、新貨物地区やターミナルなども含まれる。事業認定申請の具体的な対象範囲は今後検討し、現時点では個別の収用対象地や地権者を特定した段階ではない。

 C滑走路は、用地確保後の残工事量によって完成時期が変わるため、現時点で供用時期を示していない。一方、新貨物地区などを2030年代初頭に稼働させる目標は変更していない。

 成田空港で土地収用制度を使ったのは、公団時代の1969年に空港建設用地を取得した1回だけ。1978年5月20日の開港後は、任意交渉を基本に空港拡張を進めてきた。

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