エアライン, 企業, 空港 — 2026年2月18日 17:47 JST

ANA、いすゞ「エルフEV」導入 羽田・新千歳でGSE脱炭素検証

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 全日本空輸(ANA/NH)といすゞ自動車(7202)は2月18日、電気自動車(EV)トラックを活用したGSE(航空機地上支援機材)の検証を進めるパートナーシップを締結したと発表した。いすゞのバッテリー式電気自動車(BEV)トラック「エルフEV」をベースにしたカーゴトラック(手荷物運搬車)を新たに導入し、空港での実運用を通じて脱炭素に向けた効果や課題を検証する。

空港でのEVトラック活用検証でパートナーシップを締結したANAといすゞ自動車(いすゞ提供)

空港でのEVトラック活用検証でパートナーシップを締結したANAといすゞ自動車(いすゞのサイトから)

 ANAは18日から、エルフEVのカーゴトラックを羽田空港に2台、新千歳空港に1台の計3台配備。走行時に加え、荷台のリフトを動かす動力も車両のバッテリーから供給する仕様で、従来のエンジンを搭載したトラックと同等の機能を電動化した。

 今回の検証では、羽田で24時間稼働が求められる環境で運用実用性を確認し、新千歳では冬季の寒冷・降雪条件下での電池性能や稼働の安定性などを重点的に見る。実際の手荷物運搬業務に投入しながら、走行距離や充電状況などの稼働データを蓄積する。

 両社はパートナーシップに基づき、空港でのEV車両の実証運用とサポート、稼働データの解析によるバッテリーや車両仕様の課題抽出と改善提案、CO2(二酸化炭素)排出量実質ゼロに向けた複数のソリューション検証などに取り組む。商用車の電動化で知見を持ついすゞの技術力と、ANAグループの空港運用ノウハウを組み合わせることで、GSEの電動化を進める。

 ANAグループは、2050年までに国内の空港で使用するエンジントラック約1000台からのCO2排出量を実質ゼロにする目標を掲げる。これまでにプラグインハイブリッド車(PHEV)仕様の航空機牽引車や、EV仕様のトーイングトラクター、ベルトローダーの導入に加え、GSE向け次世代バイオ燃料(リニューアブルディーゼル)の実証などを進めてきたが、トラックベース車両のGSEは本格的な実証が課題となっていた。

 いすゞは、動力源のマルチパスウェイによるカーボンニュートラル戦略を掲げており、エルフEVのほか、さまざまな動力を組み合わせた商用車の電動化を進めている。今回の取り組みで得られたデータや知見をもとに、空港での運用に適した車両仕様や電池容量の在り方などを検討し、今後の車両開発やソリューション提案に反映していく。

 エルフEVの導入には、一般財団法人環境優良車普及機構と東京都の補助金を活用。東京都の補助金は羽田で運用する2台が対象で、新千歳の1台は環境優良車普及機構の支援を受けて導入した。

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全日本空輸
いすゞ自動車

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