アメリカン航空(AAL/AA)は、エアバスA321XLRの就航準備として、大西洋路線でパイロットの訓練を9月に実施した。A321XLRはA321neoの超長距離型で、最大11時間、航続距離で最大4700海里(約8704キロ)のフライトが可能。2026年に就航を予定しており、今回は運航に必要な操縦手順や空域の特性を把握するため、A321neoを使い、フィラデルフィア-エディンバラ線で訓練を実施した。

アメリカン航空が今回実施した訓練機と同型のA321neo(同社提供)
訓練は現地時間9月4日から25日までの間に42便運航。A320系列の機材(A319/A320/A321/A321neo)を担当する査察操縦士が乗務し、最初の8人がFAA(米国連邦航空局)の同乗審査を受けて資格を取得した。その後、この8人が残る査察操縦士を訓練した。査察操縦士とは、国から一定の条件を満たしたと認められた航空会社などで、国に代わり機長の認定や審査を行うパイロットを指す。
今後はニューヨーク拠点のパイロットに訓練対象を拡大。大西洋路線への本格展開を進める。A321XLRの初号機は、今年第4四半期(10-12月期)に受領を予定しており、最初の路線はニューヨーク(JFK)-ロサンゼルス線となる。大西洋路線導入時に乗務するパイロットは45人となる見通し。
アメリカン航空にとって、大西洋横断路線は真新しいものではないが、同社のA320ファミリーを運航するパイロットにとっては、初めての挑戦。今回の訓練では、北大西洋トラックシステム(NAT)に基づく空域運用、非レーダー環境での位置通報による航空管制、米国内線とは異なる衛星通信などの通信手段、代替着陸空港の選定基準など、大西洋横断に特有の運航要素について実践的な訓練が行われた。
A321XLRの仕様の詳細や、初の国際線投入路線は、後日発表を予定している。

A321XLR就航を目指しA321neoで大西洋を横断したアメリカン航空の査察操縦士ラルセル・アームストロング氏、ゴータム・サマント氏、ダニー・ライアン氏、カールトン・マクイーン氏(同社提供)
関連リンク
アメリカン航空
・スターラックス航空、アメリカン航空と提携 フェニックスで接続(25年8月15日)
・JALとアメリカン航空、ニューヨーク400周年の魅力紹介 高級ホテルやW杯で観光強化(25年7月14日)
・アメリカン航空、A321XLRを50機発注(19年6月25日)
