日本航空(JAL/JL、9201)は3月1日、羽田空港で「ʻOLUʻOLU! Honolulu!(オルオル!ホノルル!)」の出発式を開いた。「オルオル」はハワイ語で「ここちよさ、思いやり」を表す言葉で、現地でダイヤモンドヘッドのサンセットツアーや伝統農業体験などを通じ、旅行者にハワイの文化や環境保全などに関心を持ってもらう。

羽田空港でJALが開いた「ʻOLUʻOLU! Honolulu!」の出発式で披露されたフランダンス=25年3月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
出発式は羽田第3ターミナルの114番ゲートで開かれ、フラダンスでハワイらしさを演出。調達本部長と総務本部副本部長を務めるJALの小川宣子執行役員は「就航から70年以上たったハワイで、心地よく過ごしていただけるかを考えた企画。ハワイとのつながりから、新しい旅のあり方を感じていただきたい」と述べ、ハワイと日本の「移動を通じた関係・つながり」を創出し、サステナブルな旅のあり方を提案していきたいという。
1日の羽田発ホノルル行きJL74便(ボーイング787-9型機、登録記号JA878J、3クラス239席)は、ほぼ満席の乗客236人(幼児4人含む)と乗員12人(パイロット2人、客室乗務員10人)を乗せ、午後9時24分に出発した。

ホノルルに駐機中のJALの787-9=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
期間は15日までで、ホノルル発着のJL71、72、73、74、784、783、791、792、793、794の各便が対象。JALによると、期間後も現地と連携したイベントなどを続けていくという。
対象便の乗客には、サステナブルな取り組みに協力した証として、非航空系サービスの利用でもポイントがたまる新制度「Life Status(LS)ポイント」を5ポイントプレゼントする。また、「JAL Mahalo運賃」や、環境保全に積極的に取り組むホテルなどを選んだ旅行商品をそろえる。

JALがハワイ路線で始めた「ʻOLUʻOLU! Honolulu!」=25年3月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港であいさつするJALの小川宣子執行役員=25年3月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
ホノルルでは、近距離モビリティWHILL(電動車いす)の貸出や、ビーチクリーンやハワイの伝統的作物「タロイモ」の栽培、日本とハワイの文化交流を目的とした「ホノルルフェスティバル」への参加といった無料体験、オプショナルツアーとしては、ダイヤモンドヘッド サンセットツアーなどを用意する。小川氏によると、3月の開催は、春休みや同フェスティバルの開催時期などから決めたという。また、ハワイ大学との連携や語学留学など、若年層の渡航につながる取り組みも進める。
JALは2022年11月18日に、日本初となるCO2(二酸化炭素)排出量実質ゼロ(カーボンニュートラル)を実現した「サステナブルチャーターフライト」を羽田から那覇まで運航。今回は日本人になじみのあるハワイを、環境保全や身体的・精神的・社会的に健康な「ウェルビーイング」を考える場として選んだ。
JALのESG施策を手掛けてきた小川氏は、ハワイの楽しみ方について「これまでハワイと言えばショッピングやビーチを楽しむような旅だったと思うが、もっと可能性を広げて楽しんでいただきたい」と述べ、ハワイでの環境保全や地元文化への理解といった体験を「ハワイから始まり、ほかの旅先でも感じていただければ」と語った。
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ʻOLUʻOLU! Honolulu!(JAL)
日本航空
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