企業, 空港 — 2015年12月17日 22:00 JST

羽田に家電免税店 日本空港ビルとビックカメラ、16年に合弁会社で

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 日本空港ビルデング(9706)とビックカメラ(3048)は12月17日、国内外の空港などで免税店を手掛ける合弁会社の設立について、基本合意した。訪日需要が旺盛であることから、家電製品を中心とした品揃えで、消費税を免税する「空港型免税店」を新会社が展開していく。

家電中心の空港型免税店を運営する合弁会社設立で合意し握手を交わす日本空港ビルの鷹城社長(中央右)とビックカメラの宮嶋社長=12月17日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田国際線ターミナルに1号店

 新会社は年明けの2016年初頭に設立。出資比率は空ビル51%、ビック49%で、出資金は1億円から5億円を見込む。代表者は空ビルから選任する。

 1店舗目は羽田空港国際線ターミナルの2階到着ロビーにある喫茶店跡地に、100坪程度で展開。2016年夏までのオープンを目指す。訪日外国人をターゲットに、デジタルカメラや炊飯器、美容家電など、ビックで訪日客に人気の高い家電製品を中心に、1万品目の品揃えを目指す。

 ビックはすでに訪日客が店舗で購入した商品を、宿泊先や空港に届けるサービスを展開。サービス利用者のうち、半分強が空港での受け取りを希望するという。新店舗では商品販売に加え、羽田から近い有楽町店やビックのウェブサイトで予約した商品を、購入・受け取りが出来るようにする。

 新店舗での訪日客の取り込みについて、空ビルの鷹城勲社長は、消費が旺盛な中国・台湾の旅行者以外に「タイやマレーシア、ベトナムからの訪日が増えているので取り込みたい」と語った。国内の空港で、大手家電量販店と組んだ店舗展開の事例について、「最初に近いのではないか」(鷹城社長)と述べた。

5カ国語対応目指す

 ビックの宮嶋宏幸社長は、既存店に来店する訪日客について、「台湾人客が急激に伸びており、中国と台湾で合わせて8割。欧米はまだまだだが、前年比で2倍だ」と説明。新店舗では、英語や中国語のほか、既存店のフランス語やタイ語、韓国語を話せるスタッフを中心に、5カ国語程度は対応出来る体制作りを目指す。

 売上について宮嶋社長は、年間12億円程度を想定していると述べた。今後の店舗展開については、1店舗目の実績を見極めた上、国内外の他空港を検討する。

 また、空ビルは2016年3月末までに、三越銀座店8階に空港型免税店を出店予定。三越伊勢丹ホールディングス(3099)と成田国際空港会社(NAA)の100%子会社で免税店運営会社のNAAリテイリングの、3社による合弁会社が運営する。街中の免税店は消費税のみ免税となるが、空港型は関税や酒税、たばこ税も対象になることから、差別化を図る。

 日本政府観光局(JNTO)が16日に発表した11月の訪日客数推計値によると、前年同月比41.0%増の164万7600人で、11月として過去最高を記録。11月までの累計は1796万4400人にのぼり、過去最高だった2014年の年間訪日客数1341万3467人を455万人以上上回った。

羽田国際線ターミナルに空ビルとビックの合弁会社が出店する店舗のイメージイラスト=12月17日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

空ビルとビックの合弁会社が出店する羽田国際線ターミナルの店舗予定地=12月17日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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【お知らせ】
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