エアライン, 官公庁 — 2015年1月30日 23:59 JST

国交省、スカイマークに厳重注意 出発前の整備不備

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 国土交通省航空局(JCAB)は1月30日、スカイマーク(SKY/BC、9204)に対して厳重注意した。同社のボーイング737-800型機のうち1機(登録番号JA737Q)が、19日の出発前に必要な整備作業を行わずに運航していた。

国交省から厳重注意を受けたスカイマーク=14年10月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 当該機は1月16日に運航中、エレベーター(昇降舵)の操舵感覚をパイロットに伝える「エレベーター・フィール・システム」の異常を知らせる警告が、コックピットに表示された。機体を確認したところ、エレベーターには異常はなく、警報装置の故障であることがわかった。

 SKYには部品がなかったことと、メーカーが定める「MEL(運用許容基準)」で3日間は故障していても一定条件を満たせば運航できたことから、出発前に操縦系統の作動点検を実施した上で運航していた。

 ところが、20日にMELの延長申請をJCABに提出した際、19日の点検記録がないことが発覚。担当した整備士は点検が必要であることは認識していたものの、他の機体の整備作業が入るなどで出発までに点検できないと考え、操縦系統に大きな不具合が見受けられなかったことから、点検しないまま出発させた。JCABによると、16日から18日までと20日の点検記録はあったという。点検が行われていない状態で、羽田発那覇行きなど6便が運航されていた。

 JCABの指摘を受け、SKYは20日から29日まで当該機を運航から外した。SKYによると、機体を点検した結果、安全は確認出来たとしている。また、整備士も20日に通常業務から外し、処分を検討している。

 JCABはSKYに対し、2月13日までに再発防止策を提出するよう指示した。

 SKYは28日に民事再生法の適用を申請。JCABでは安全管理に問題が生じないよう、2月にも監査を実施する。

関連リンク
スカイマーク

A330導入「会社設立並みに大変だった」 スカイマーク、737一本化で原点回帰(15年1月30日)
スカイマーク、A330運航停止へ 宮古・石垣は運休(15年1月29日)
スカイマーク、仙台-福岡も運休 夏ダイヤ、宮古・石垣と(15年1月29日)
スカイマーク、決算発表を2月5日に延期 14年4-12月期(15年1月29日)
スカイマーク、民事再生法申請 社長に有森氏、インテグラルが支援(15年1月28日)