エアライン, 空港, 解説・コラム — 2014年10月6日 11:50 JST

「本音は羽田一本化」一人勝ち羽田は成田と住み分けられるのか

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 羽田空港を巡る話題が再び賑やかになってきた。国土交通省航空局(JCAB)が、深夜早朝時間帯の国際線着陸料を11月から割り引く方針を示し、羽田と都心を結ぶバスの実証実験も、10月26日から2015年3月31日まで実施する。

 懸案となっている米国との発着枠交渉は、依然として米国側が厳しい要求を示していることが、Aviation Wireの取材でわかった。羽田と成田は本当に共存していけるのだろうか。

着陸料は1年目半額

深夜早朝も利便性を向上させる羽田空港=14年3月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 11月から割り引くのは、「深夜早朝時間帯」と定義されている午後11時から午前6時までの着陸料。全日本空輸(ANA/NH)と日本航空(JAL/JL、9201)が激しい争奪戦を繰り広げた昼間時間帯(午前6時から午後11時まで)の発着枠とは対照的に、現時点では余裕があるため、着陸料を引き下げることで新規就航や増便を促す。

 割引率は1年目は50%、2年目は30%、3年目は20%。長距離国際線に使用されているボーイング777-300型機の場合、1回あたりの着陸料は約70万円。就航1年目の着陸料は約35万円、2年目が約49万円、3年目が約56万円となる。国内線の深夜早朝時間帯も、従来から実施している軽減措置を継続し、50%割り引く。

 深夜早朝便は、羽田へのアクセスに問題があることから、これまで利用が低迷傾向にある。例えば、アメリカン航空(AAL/AA)は羽田-ニューヨーク線を運航していたが、2013年12月で撤退。AALに限らず、深夜早朝便は集客に苦戦している路線が多い。このため、JCABでは深夜早朝の足も確保する。

都心まで4社がバス運行

 着陸料の割引にあわせて、羽田と都心ターミナル駅などを結ぶバス5路線の実証運行も実施。(1)羽田-銀座・東京・秋葉原、(2)羽田-新宿・池袋、(3)羽田-渋谷、(4)羽田-品川・蒲田・大鳥居、(5)羽田-横浜(YCAT)の5路線を1日1往復運行する。

 羽田の国際線ターミナルに乗り入れる鉄道は、京浜急行電鉄(9006)と東京モノレールの2路線。いずれも始発が午前5時台で、終電が午前0時台だ。実証運行する深夜バスは、羽田発が午前1時台、羽田着が午前4時台で、(1)と(2)の路線を東京空港交通が、(3)の路線を京浜急行バスと東急バスが、(4)の路線を羽田京急バスが、(5)の路線を京浜急行バスがそれぞれ運行する。

 運行路線のうち、(1)と(4)は国の利用促進調査による実証運行、(2)と(3)は東京都による実証運行、(5)は京急バスによる自主運行となる。

 運賃は(1)が片道1860円、(2)が2000円、(3)が2060円、(4)が蒲田と大鳥居が560円で品川駅が1030円、(5)が1030円と、おおむね1000円から2000円台。都心で終電後に運行されている深夜バス並みの運賃になっている。

チャーター枠は15年春まで延長

 羽田の国際線発着枠は3月30日から、昼間時間帯(午前6時から午後11時まで)について1日当たり40枠(40往復、発着80回)が増枠された。これにより、国際線の年間発着枠は6万回から9万回に増えた。

 すでに31枠は欧州やアジアへの定期便に配分されているが、米国との交渉がまとまらなかったことで、残り9枠を国際チャーター便枠として利用している。

 交渉が妥結すれば、10月26日に始まる冬ダイヤから9枠を米国路線で使用するはずだった。国交省関係者などによると、米国運輸省(DOT)側は


これより先は会員の方のみご覧いただけます。

無料会員は、有料記事を月あたり3記事まで無料でご覧いただけます。
有料会員は、すべての有料記事をご覧いただけます。

会員の方はログインしてご覧ください。
ご登録のない方は、無料会員登録すると続きをお読みいただけます。

無料会員として登録後、有料会員登録も希望する方は、会員用ページよりログイン後、有料会員登録をお願い致します。

会員としてログイン
 ログイン状態を保存する  

* 会員には、無料個人会員および有料個人会員、有料法人会員の3種類ございます。
 これらの会員になるには、最初に無料会員としての登録が必要です。
 購読料はこちらをご覧ください。

* 有料会員と無料会員、非会員の違いは下記の通りです。
・有料会員:会員限定記事を含む全記事を閲覧可能
・無料会員:会員限定記事は月3本まで閲覧可能
・非会員:会員限定記事以外を閲覧可能

* 法人会員登録は、こちらからお問い合わせください。
* 法人の会員登録は有料のみです。

無料会員登録
* 利用規約 に同意する。
*必須項目新聞社や通信社のニュースサイトに掲載された航空業界に関する記事をピックアップした無料メールニュース。土日祝日を除き毎日配信しています。サンプルはこちら
登録内容が反映されるまでにお時間をいただくことがございます。あらかじめご了承ください。
  • 共有する:
  • Facebook
  • Twitter
  • Print This Post