エアバス, エアライン, 機体, 解説・コラム — 2014年3月7日 22:00 JST

スカイマーク、A330とグリーンシート国内初披露 西久保社長「シートも注目して」

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 スカイマーク(SKY、9204)は3月7日、エアバスA330-300型機の初号機(登録番号JA330A)を国内で初公開した。5月31日から1路線目となる羽田-福岡線に投入する。シートはすべてシートピッチが広い「グリーンシート」で、客室乗務員は就航記念キャンペーン用制服を着用する。

A330とグリーンシートを披露するスカイマークの西久保社長(中央)とキャンペーン用制服を着用した客室乗務員=3月7日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 SKYはA330を2015年にかけて計10機受領予定。当初は現在受領済みの2機が就航する。8月に3機目が到着し、14年末には6機体制となり、残り4機を15年末までに導入する。路線は羽田発着の幹線で、福岡線の後に9月から那覇線、15年1月下旬を目途に札幌線と、順次投入していく。

 機内は森をイメージし、緑色を基調としたシートと木目のテーブルを配した。座席数はグリーンシートのみ271席。ゾディアック・シート・US(旧ウェーバー)社製のシートで、配列は2-3-2で1列7席(後部は2-2-2配列で6席)となる。化粧室の床も木目にし、落ち着いた機内に仕上がっている。

 とかく制服に注目が集まる同社だが、自らシート開発に携わった西久保愼一社長は「シートも注目して欲しい」と、グリーンシートをアピールした。

「嫌な部分を改善したシート」

 グリーンシートのシートピッチは、日本航空(JAL、9201)が国内線の普通席に追加料金1000円で提供している「クラスJ」と同様の38インチ(約96.5センチ)。現在SKYが運航しているボーイング737-800型機(177席)をはじめ、JALや全日本空輸(ANA)の普通席で採用されている31インチ(78.7センチ)や、LCC(低コスト航空会社)の28から29インチ(71.1から73.6センチ)よりも広くした。クラスJと同様、レッグレストを備える。

シートピッチを広くしたグリーンシート。背もたれにもこだわった=3月7日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 背もたれは、席と席の間が空かないデザインにすることで、後ろの席の話し声が気にならないようにし、表面の縫い目も体を包み込む座り心地を実現できるよう工夫。シート幅にゆとりを持たせ、ひじ掛けも隣り合う人が使える大きさにするなど、快適性については細部までこだわった。

 また、リクライニングしない状態でも、背もたれが3度傾いているため、離着陸時もくつろげる。西久保社長は「自分が乗っていて、(これまでのシートで)嫌だと感じた部分を改善した」と、グリーンシートの仕上がりに自信を示す。

 A330投入路線のロードファクター(座席利用率、L/F)については、72%から73%で収支が合うとして、80%台を目指す考え。

 西久保社長はA330を選定した理由について、「ボーイング787やエアバスA350 XWBといった最新鋭機と比べて、価格が4割安い。グリーンシートはA330だからこそ実現できた」と述べ、運航実績のある機体を安く導入することで、高品質なシートを配しても低価格運賃が実現できるとした。

 A330の選定理由は機体価格だけではなく、737よりも機内の与圧が高いことから、乗客が体調を崩しにくくなる点も評価したという。また、ギャレー(厨房設備)は設備が充実した国際線仕様となっており、国際チャーター便などにも投入可能だ。

着用は本人に確認

 SKYの客室乗務員の制服は、これまでポロシャツだったが、A330による運航便はキャンペーン用制服を着用。3路線とも就航から半年間ずつ、計1年半使用する見込み。

グリーンシートを紹介する客室乗務員=3月7日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 同制服は青いワンピースと帽子、黄色を中心とするスカーフで構成され、キャンペーン後はポロシャツに戻る。

 同社のA330には、1機あたり8人の客室乗務員が乗務。現在約650人いる客室乗務員のうち、当初は80人、10機体制が整った段階では450人がキャンペーン用制服を着用する。着用については、本人に意向を確認しているという。

 西久保社長は、「予想以上に、制服に注目が集まってしまった。良いシートなので、ぜひシートにも注目して欲しい」と、新シートを売り込んだ。

* 2013年12月に仏トゥールーズで行われた機体公開は、こちらをご覧ください。

機体前方ドアに立つ新制服を着たスカイマークの女性社員=3月7日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

キャンペーン用制服を着てグリーンシートを披露するスカイマークの客室乗務員=3月7日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

リクライニングしたグリーンシート=3月7日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

木目のテーブルを出したグリーンシート=3月7日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

2-2-2配列の後部座席=3月7日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

床を木目調とした化粧室=3月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

前方ギャレー=3月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

中央ギャレー=3月7日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

後部ギャレー=3月7日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

後部ドア=3月7日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

スカイマークのA330 2号機=3月7日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関連リンク
スカイマーク

スカイマーク、A330就航 福岡線初便 ミニスカCA8人がお出迎え(14年6月14日)
スカイマーク、A330とグリーンシートお披露目 西久保社長「広いシートを安く」
スカイマーク、ミニスカ新制服で若さ強調 A330導入キャンペーン