エアライン, ボーイング, 機体, 解説・コラム — 2013年9月5日 18:50 JST

春秋航空日本、成田-高松など国内3路線就航へ 14年5月末

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 中国・春秋航空(CQH)などが出資する春秋航空日本は9月5日、国土交通省航空局(JCAB)に対して航空運送事業の許可を申請した。成田空港第2ターミナルを拠点として、2014年5月末から高松、広島、佐賀の3都市へ就航する計画で、台湾など国際線開設も視野に入れる。各路線は1日2往復4便から始める。

春秋航空日本の737の模型を手にする鵜飼社長(中央)と王会長(右)、内田オペレーション本部長=9月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 春秋航空日本の資本金は15億円で、CQHが33%出資し、残り3分の2をIT企業や商社、金融機関などの日本企業が出資。申請が許可された際には60億円へ増資を予定している。社長はJCAB出身の鵜飼博氏。想定利用者は日本と中国両方で、就航2年目での黒字転換を目指す。

 成田空港の第2ターミナルを使用し、「(15年3月末までに整備予定の)LCCターミナルも検討していきたい」(鵜飼社長)と語った。また、14年5月の就航後、安定稼働するようになった際は路線を増やす方向で機材運用を行うという。

 目標とするロードファクター(座席利用率、L/F)について、王煒(ワン・ウェイ)会長は「CQHが9割なので、高い目標を設定したい」と語った。付帯収入については、「単にサービスを有料化するのではなく、利用者のニーズに合ったものを提供したい」(王会長)と話した。

 機材はボーイング737-800型機(189席)で、初号機(登録番号JA01GR)は今年4月に受領済み。年内に2機、就航時の14年5月末時点で3機体制とする。就航5年目の17年には20機体制となり、全機がオペレーティング・リース導入を予定している。

 CQHはエアバスA320型機を使用しているが、日本ではボーイング機を運航する航空会社が多いため、パイロットや整備士の確保などで737を選定。日本航空(JAL、9201)で767の機長や教官を務めた執行役員の内田実オペレーション本部長は、ボーイングの生産が737-800などの737NG(次世代型737)から、将来的に737 MAXへ移行することにより、「最後のほうに受領する機体は737 MAXになる見込み」と述べた。

 パイロットはJALなどを退職した日本人で、「基幹要員は日本人を中心でやっていく」(内田本部長)とし、今後はパイロットや整備士を自社で育成していくという。整備士の新卒採用も行う見通し。

 また、現在CQHが就航する茨城空港について、王会長は「撤退することはない」と語った。

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