エアバス, エアライン, 企業, 機体 — 2018年4月16日 12:54 JST

エアバス、貨物室に寝室オプション ゾディアックと提携、LD-36コンテナ活用

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 エアバスは、独ハンブルクで4月10日から12日まで開催された「エアクラフト・インテリア・エキスポ2018」(Aircraft Interiors Expo 2018)で、航空機の貨物室に寝室を追加するオプションの開発に向け、仏サフラン傘下のゾディアック・エアロスペースとの提携を発表した。2020年までに、中型機であるA330型機用の客室オプションカタログに載せ、大型機A350 XWBへの展開も検討していく。

エアバスとゾディアックが開発する貨物室を活用した寝室オプションのモックアップ(エアバス提供)

 今回発表した寝室は貨物コンテナ型のモジュールで、客室階下にある既存の貨物室エリアを活用。貨物コンテナ「LD-36」(318センチ×244センチ×163センチ)の中に、乗客が利用できるベッドを並べる。乗客は客室から階段を降りて、寝室モジュールへ向かう。

 LD-36をベースにするため、空港で通常の貨物コンテナと簡単に載せ替えられるのが特徴。例えば、寝室の利用料金よりも貨物輸送で収益が見込める際は、従来通り貨物を搭載できる。A330では、寝室モジュールを2つ設置する見込み。

 ビジネスクラスでフルフラットシートが普及する中、エアバスではプレミアムエコノミークラスや、エコノミークラスの乗客向けオプションとして、航空会社へ提案していく。

 エアバスとゾディアックは、乗務員の休憩スペースを既存機の貨物室エリアに搭載しており、この生産ノウハウを活かす。乗客用の施設としては、ルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)のA340-600型機などに、ラバトリー(化粧室)を客室階下に設置した例がある。

エアバスとゾディアックが開発する貨物室を活用した寝室オプションの模型。手前の階段から貨物室エリアに降りて寝室モジュールへ向かう=18年4月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

エアバスとゾディアックが開発する貨物室を活用した寝室オプションのコンセプトスケッチ(エアバス提供)

エアバスとゾディアックが開発する貨物室を活用した寝室オプションのコンセプトスケッチ(エアバス提供)

ルフトハンザのA340-600に設置されている客室階下のラバトリーへ向かう階段=18年4月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ルフトハンザのA340-600に設置されている客室階下のラバトリー。今回の寝室モジュールはこうした設備のノウハウを活かしたもの=18年4月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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