エアライン, 解説・コラム — 2017年12月27日 06:45 JST

“一人ひとりがJAL”体現する副操縦士たち 特集・JAL空飛ぶ合唱団2017

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 日本航空(JAL/JL、9201)の客室乗務員有志によるハンドベル演奏チーム「JALベルスター」は、恒例行事として羽田空港でのクリスマスコンサートを開いている。今年はそのステージで、パイロット有志による「JAL空飛ぶ合唱団2017」が男声合唱を初披露した。

織田さん(中央)が指揮を務めた小澤さん(左)らJAL空飛ぶ合唱団2017のメンバー=17年12月23日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

JALベルスターのハンドベルに合わせて恋ダンスを披露した空飛ぶ合唱団のメンバー=17年12月24日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 空飛ぶ合唱団が歌ったのは、かつてJALのイメージソングに採用された米米CLUBの「浪漫飛行」。合唱はこの1曲のみだったが、ベルスターが星野源さんのヒット曲「恋」を演奏する際には、合唱団のメンバーが「恋ダンス」を踊り、会場を盛り上げた。

 空飛ぶ合唱団を企画したのは、767乗員部所属の副操縦士、小澤佑介さん。12人の副操縦士が、小澤さんの呼びかけで集まった。

 パイロットは普段コックピットにいるため、客室乗務員や地上係員のように、乗客と接点を直接持つことが難しい。みんなで楽しむことが好きだという小澤さんは、機内アナウンス以外にも自分たちなりに何かできないかと考え、空飛ぶ合唱団を結成した。指揮者は同じく767乗員部の機長、織田直行さんが務めた。

 今回集まった副操縦士は、2007年度入社と2008年度入社が6人ずつ。いずれも2010年1月19日の経営破綻を経験し、訓練が一時中断された世代のパイロットたちだ。小澤さんも、成田空港に3年間務めた。

 「何かやろうとみんなに持ちかけ、織田さんがやろうよとケツを叩いてくれました」と小澤さんは笑う。小澤さんの呼びかけで、合唱経験がある藤本新之助さん(767乗員部)が後輩のボイストレーナーを呼び寄せるなど練習の進め方をまとめ、12月23日と24日に羽田で歌声を披露した。

羽田第1ターミナルで男声合唱を披露するJAL空飛ぶ合唱団のメンバー=17年12月24日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田第1ターミナルでJAL空飛ぶ合唱団を指揮する織田さん=17年12月24日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 堂々たる指揮をしていた織田さんに音楽経験を尋ねると、「音楽はまったくやったことがございません」と、笑顔で意外な答えが返ってきた。ボイストレーナーに指揮の指導をしてもらったという。

 「若手に負けてられません」という織田さんは、空飛ぶ合唱団のパイロットたちについて、「うまくいくかわかりませんでしたが、本番が一番良かったです。いつも仕事で審査や訓練に焦点を合わせるように、本番で力を発揮していました」と満足そうだった。

 破綻で訓練中断を経験した世代ということもあり、「それまでのただ飛んでいれば良いというのではなく、(JALフィロソフィにある)“一人ひとりがJAL”の感覚を持っていて、お客様に対して何ができるのかという視点を持っていますね。違う世代の若手ですよ」(織田さん)と、今後の成長に期待する。

 本番を終えた小澤さんは「教官や先輩、成田でお世話になった方が聞きに来てくださり、うれしかったし、楽しかったです」と満足げだ。今回の合唱は1曲だけだったが、会場からはすぐにアンコールがかかった。

 「みんなが普段は見せない顔で楽しんでいましたし、お客様にも喜んでいただけたようでよかったです」(小澤さん)と、2日間の公演を終えて安堵(あんど)していた。

 今後に向けて小澤さんは、「時間を掛けて曲を増やして、JALを盛り上げていくことができればと思います」と合唱団の今後を考えつつも、「空飛ぶ○○シリーズが他にもできたらいいですね」と、さわやかに笑った。

 空飛ぶ合唱団も、年末の風物詩になりそうだ。

*写真は7枚。

羽田国際線ターミナルの江戸舞台で男声合唱を披露するJAL空飛ぶ合唱団のメンバー=17年12月23日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田第1ターミナルで男声合唱を披露するJAL空飛ぶ合唱団のメンバー=17年12月24日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田第1ターミナルで開かれたJAL空飛ぶ合唱団のコンサートでは多くの人が男声合唱に耳を傾けた=17年12月24日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

JAL空飛ぶ合唱団(敬称略、括弧内は入社年度と所属)
織田 直行(91年度、767乗員部 機長、指揮者)
藤本 新之助(07年度、767乗員部 副操縦士)
坪田 和紀(07年度、767乗員部 副操縦士)
前田 亮輔(07年度、767乗員部 副操縦士)
山本 賢(07年度、767乗員部 副操縦士)
山崎 祐太(07年度、767乗員部 副操縦士)
草次 佳(07年度、737乗員部 副操縦士)
小澤 佑介(08年度、767乗員部 副操縦士)
島津 陽介(08年度、767乗員部 副操縦士)
神原 悠佑(08年度、767乗員部 副操縦士)
平峰 新也(08年度、767乗員部 副操縦士)
安斎 恵一郎(08年度、767乗員部 副操縦士)
谷田海 博孝(08年度、767乗員部 副操縦士)

関連リンク
日本航空

JALのCAとパイロット、ハンドベルと恋ダンス競演 羽田でベルスター演奏会(17年12月23日)
「心を一つにする大切さ学んだ」特集・「恋ダンス」光るJALベルスター2017(17年12月26日)
JAL客室乗務員「ベルスター」、函館からハンドベル演奏スタート(17年12月1日)
JALのCA、ハンドベル練習始動 ベルスター2017の8人、息合った音色響く(17年10月12日)

  • 共有する:
  • Facebook
  • Twitter
  • Print This Post