エアライン, 空港 — 2017年10月24日 19:49 JST

関空、第1ターミナルの改修検討 山谷社長「18年3月までに構想示したい」

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 関西空港を運営する関西エアポートの山谷佳之社長は10月24日、1994年の開港以来使用している第1ターミナルについて、改修計画の大枠を2018年3月までにまとめる方針を示した。

1タミ改修について説明する関西エアポートの山谷社長=17年10月24日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 関空は1994年9月4日開港。滑走路は2本で、ターミナルは2つあり、主に日本航空(JAL/JL、9201)や全日本空輸(ANA/NH)などフルサービス航空会社(FSC)の国際線と国内線が乗り入れる第1ターミナルと、LCC(低コスト航空会社)のピーチ・アビエーション(APJ/MM)と春秋航空(CQH/9C)が利用する第2ターミナルがある。

 関西エアによると、第1ターミナルの改修第1弾として、保安検査機器や自動チェックイン機の再配置などのレイアウト変更を実施する予定で、改修計画の検討を年内に終えるという。

 山谷社長は、「国際線の日本人と外国人の比率が、2010年度は62%が日本人、36%が外国人だったが、今年度は68%がインバウンド(訪日客)、31%が日本人と逆転している」と、訪日客の増加を指摘。「(ターミナル内の施設が)もともとアウトバウンド(出国客)を想定しており、免税店が混んでいるが今のままだと増やせない。本来なら今の2倍の面積があってもいい」と、ニーズの変化に応じた改修の必要性に触れた。

14年にオープンした関空第1ターミナルの新店舗=14年9月4日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 「第1ターミナルは私たちの主力で、24時間運用しているため工事が制約され、難しいパズルを解くようにやらないといけない。東京オリンピックの2020年開催など、どのタイミングで着工するのが良いかも考えた上で、3月までにグランドデザイン(全体構想)を示したい」(山谷社長)と述べた。具体的な計画は、このグランドデザインを基に詰めていく。

 関西エアによると、これまでに第1ターミナルのリニューアルは、開港20周年を迎えた2014年に実施。高級ブランドやユニクロの免税店など新店舗が順次オープンしたほか、ターミナル両端にあった外貨両替所を中央に移すなどの配置転換を行った。これを上回る大規模改修を実施するとなると、開港以来初となる。

 関空の29日から始まる冬ダイヤ期間(18年3月24日まで)の国際線の旅客便と貨物便を合わせた総運航便数は、12月のピーク時で過去最高の週1362便となり、このうち国際線旅客便は週1220便(往復)を見込む。昨年の冬ダイヤ比で週114便増、28日までの夏ダイヤ比で週58便増となり、韓国や東南アジア、オセアニア、ハワイ方面の便を中心に拡充が進む。

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