エアライン, 空港, 解説・コラム — 2017年5月11日 13:26 JST

ターキッシュエア、羽田就航目指す 成田は維持へ

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 ターキッシュエアラインズ(旧称トルコ航空、THY/TK)は、羽田の昼間時間帯への就航を目指す。来日したビラル・エクシCEO(最高経営責任者)が5月11日、明らかにした。

—記事の概要—
羽田とイスタンブールの乗継重視
成田は当面維持

羽田とイスタンブールの乗継重視

羽田の昼間時間帯への就航を目指すターキッシュエアのエクシCEO=17年5月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ターキッシュは世界最多となる120カ国299都市とイスタンブールを結んでおり、日本へは現在、イスタンブール-成田線を週7往復(1日1往復)運航。航空連合は全日本空輸(ANA/NH)と同じ「スターアライアンス」に加盟している。

 エクシCEOは「日本の各地から羽田を経由して海外へ送客するとともに、世界各国からの訪日客を羽田から全国へ送客したい」と述べ、「条件がそろえば、なるべく早期に羽田の昼間時間帯に就航したい」と語り、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催前に計画されている発着枠増枠を契機に、就航を目指す意向を示した。

 エクシCEOによると、ターキッシュへは羽田の深夜早朝時間帯の発着枠はすでに配分されているという。昼間帯への移行を求める理由として、「羽田を夜出発すると、イスタンブールへの到着が夜になるため、乗り継ぎが不便になってしまう。イスタンブールからのネットワークを最大限に生かせず、夜便では損失が出てしまう」と説明した。

 一方、現在のイスタンブール発成田行きTK52便は午後7時30分に着くことから、「成田発の国内線の運航が、ほぼすべて終わっている時間帯。成田から大阪など各地へ送客出来ない」(エクシCEO)と、理解を求めた。

成田は当面維持

羽田就航後も成田維持を目指すターキッシュエア=13年5月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 羽田へ航空会社が乗り入れる場合、成田からも同じ国へ向かう便を残す紳士協定、いわゆる「成田縛り」がある。しかし、2015年2月にヴァージン アトランティック航空(VIR/VS)が成田から撤退して以降、成田縛りが有名無実化しつつあり、ルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)は現在、監督する国土交通省航空局(JCAB)から例外扱いを受けている。

 エクシCEOは「トルコと日本の二国間航空協定には、羽田と成田の両方に就航しなければならないという規定はない」と語った。一方、羽田就航が実現した場合の成田の扱いについて、「成田を完全になくすことは考えていない」として、東京発着便の需給調整が必要な場合は、減便から検討する考えを示した。

 また、ターキッシュはテロなどの影響で関西空港から欧州への需要低迷に伴い、イスタンブール-関西線を2月1日から運休。「年内の再開は考えていないが、全体的な需要を見て判断したい」と述べるとともに、「直行便のほうが便利なので、羽田就航に次いで関空便の再開を検討したい」と語った。

 一方、テロを契機に日本企業などからは、ターキッシュの本拠地であるイスタンブールのアタテュルク国際空港の安全性を不安視する声が聞かれる。エクシCEOは「直近1年間でセキュリティーの大きな問題や事故は起きていない。ビジネスでも観光でも、安心して利用して欲しい」と自信を示した。

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