エアライン, 企業 — 2015年6月4日 20:00 JST

東大とANA総研、「おもてなし」共同研究 具現化し他分野活用へ

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 東京大学人工物工学研究センター(RACE)とANAホールディングス(9202)傘下のANA総合研究所は6月4日、日本の「おもてなし」力を科学的に分析する共同研究を開始すると発表した。抽象的な概念のおもてなしを具体的にモデル化することで、国内の接客業や他分野での活用を狙う。研究期間は2015年5月から1年間。

乗客にサービスするANAの客室乗務員=15年5月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 共同研究では、英国を本拠地とする航空業界調査・格付け会社SKYTRAX(スカイトラックス)社が実施する航空会社の格付けで、3年連続の5つ星を獲得している全日本空輸(ANA/NH)の客室乗務員(CA)の行動を調査。CAどうしの会話やチームワークなどを通して、利用者が求めていることにどのように気がつくか、どのように行動するかなどを分析し、モデル化を目指す。

 研究を主導するのは、東京大学の太田順教授と原辰徳准教授。ANA総研が参画させる社員1人が、ANAグループで同研究を実行する。

 スイス・ジュネーブの非営利財団、世界経済フォ-ラムが5月に発表した「旅行・観光競争力指数(TTCI)」では、日本は世界第9位にランクイン。アジアではトップとなり、日本のおもてなし力が評価された。観光庁は2020年までに訪日客を2000万人にする「観光庁アクションプラン」を策定している。日本のおもてなし力が注目を集める一方で、概念を数値で表現するのは難しく、抽象的な理解に留まっている。

関連リンク
東京大学人工物工学研究センター
ANA総合研究所

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