エアバス, エアライン, 官公庁, 機体, 空港, 解説・コラム — 2014年10月17日 12:25 JST

羽田空港、12月からC滑走路延伸 長距離国際線の大型化可能に

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 国土交通省航空局(JCAB)は10月16日、羽田空港のC滑走路(16L/34R)を360メートル延伸する部分について、12月11日から供用開始すると発表した。

羽田空港C滑走路に着陸するA380=10年10月15日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 C滑走路は現在3000メートルだが、南側沖合に360メートル伸ばし、3360メートルにする。C滑走路の離陸開始位置を海側に移すことで、市街地への騒音影響を軽減する。

 また、深夜早朝時間帯(午後11時から午前6時)の離陸は現在、騒音を抑えるため沖合にある2500メートルのD滑走路を主に使用している。しかし、ターミナルと滑走路を結ぶ橋には重量制限があり、エアバスA380型機は乗客数や貨物量によっては使用できない。

 現在のC滑走路は、深夜早朝時間帯は3000メートルのうち、2500メートルしか使用できないが、今回の延伸で3000メートル使えるようになる。これにより、A380など大型機による深夜早朝の長距離国際線も就航しやすくなる。

 C滑走路の延伸後も、D滑走路で離陸可能な機材は、従来通り原則としてD滑走路から離陸する。離陸重量が重い欧米方面へ向かう長距離国際線の大型機や、D滑走路で離陸できない風向きの際にC滑走路を使用する。

 JCABでは、11月から羽田空港の深夜早朝時間帯の国際線着陸料を割り引くほか、羽田と都心ターミナル駅などを結ぶバス5路線の実証運行も実施。深夜早朝便の利便性向上で、訪日外国人客の増加などを見込む。

 一方、昼間時間帯(午前6時から午後11時)のC滑走路は、欧米など北方面の便が使用するが、延伸後もA380は規定により就航できない。エールフランス航空(AFR/AF)は、2020年の東京五輪開催までに就航したいとの意向を示している。

 C滑走路の延伸工事は2009年度に着工。2013年2月からはこれに併せて、1997年3月27日に新C滑走路として供用開始以来、初の大規模工事となる滑走路全体の舗装を打ち直す舗装改良工事も実施している。

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国土交通省

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