エアライン, 官公庁 — 2014年7月12日 08:30 JST

13年度、航空事故3件 重大インシデントは3件

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 国土交通省航空局(JCAB)は7月11日、2013年度の航空事故や重大インシデントの発生状況をまとめた「航空輸送の安全にかかわる情報の中間報告」を発表した。これによると、航空事故の発生は3件、航空事故につながりかねない重大インシデントは3件、安全上のトラブルは850件だった。

航空事故

 航空事故は、11月29日に福江空港と12月31日に沖縄県名護市付近の海上、2014年2月12日に長崎空港で発生。福江では、ANAウイングス(AKX/EH)のボンバルディアDHC-8-Q400型機(Q400)が空港に侵入中、被雷により機体を損傷した。

 名護市付近の海上ではアイラス航空のヘリコプター、ロビンソンR44Ⅱ型機が遊覧飛行中、低空飛行を実施。機体の一部が海面に接触し、の海上に墜落し、搭乗者3人が重軽傷を負った。

 長崎空港ではオリエンタルエアブリッジ(NGK/OC)のボンバルディアDHC-8-200型機が訓練飛行中、6回の連続離着陸訓練を実施。4回目の離着陸訓練で強めの接地となったことから、胴体前方外板を損傷した。

重大インシデント

 重大インシデントは、5月6日に伊丹空港と9月10日に関西空港、12月13日に羽田空港で発生。伊丹では、ジェイエア(JAR/XM)のボンバルディアCL600型機(CRJ200)がA滑走路へ着陸後、地上走行中に第2エンジン(GE製CF34-3型)に火災が発生したことを示す計器表示があり、駐機場でエンジンを確認したところ火災の痕跡が確認された。

 関空では、管制官からA滑走路手前で待機するよう指示されていた朝日航洋のベル430型機が同滑走路へ進入したため、着陸許可を受けていた全日本空輸(ANA/NH)のボーイング767-300型機が管制官の指示でゴーアラウンド(着陸復行)した。

 羽田では、ANAのボーイング777-200型機が福岡空港に向けて飛行中、第2エンジンの推力の低下と排気ガス温度が高いことを示す計器表示があったため、同エンジンを停止し、航空交通管制上の優先権を要請のうえ引き返し、着陸した。

787は36件

 安全上のトラブルは航行中のシステム不具合が286件でもっとも多く、機器からの指示による急な操作が210件、航行中の構造損傷が152件、運用限界の超過経路・高度の逸脱が48件、航行中の非常用機器の不具合が41件、その他が113件だった。

 事業者別の報告件数は運航便数の多さに比例し、大手2社の件数が目立つ。ANAグループが255件、JALグループが226件、スカイマーク(SKY/BC、9204)が167件、アイベックスエアラインズ(IBX/FW)が27件、スカイネットアジア航空(ソラシド エア、SNJ/LQ)とスターフライヤー(SFJ/7G、9206)が各26件、日本貨物航空(NCA/KZ)が21件、フジドリームエアラインズ(FDA/JH)が24件、エア・ドゥ(ADO/HD)とジェットスター・ジャパン(JJP/GK)が各17件、ピーチ・アビエーション(APJ/MM)が14件、バニラエア(VNL/JW)が11件、新中央航空(CUK)が7件、オリエンタルエアブリッジ(NGK/OC)が5件、天草エアライン(AHX)が3件、北海道エアシステム(NTH)が1件、航空機使用事業者が22件、その他航空運送事業者が9件だった。

 機種別では運航機数の多い737が294件、767の139件、A320の94件、777の67件、CRJの63件、ERJ170の52件、DHC-8-Q400の42件、787の36件、747の28件、DHC-8(-400以外)の14件、SAAB 340Bの11件、Do228の7件、航空機使用事業機の22件、その他が9件となった。

 JCABでは今後、航空運送事業者の新規参入による環境の変化にも十分配慮し、監視・監督の強化や予防的安全対策の充実などを図る取り組みを継続する必要があるとしている。

関連リンク
国土交通省

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