国土交通省航空局(JCAB)は2027年度予算の概算要求で、羽田空港に関する要求額を746億円とし、前年度の691億円から55億円増額した。第2ターミナル南側の国際線拡張を含むターミナル再編や空港アクセス鉄道、旧整備場地区の再編などを進める。
—記事の概要—
・羽田・成田
・関西・伊丹・中部・その他
・航空料金など「歳入改革」
・国交省・航空局要求額
羽田・成田
羽田空港では、京浜急行電鉄(9006)「空港線」の引上線や、都心と羽田を結ぶJR東日本(東日本旅客鉄道、9020)の「羽田空港アクセス線(仮称)」の鉄道基盤施設を整備するほか、2タミ南側の国際線拡張などターミナルの再編整備、旧整備場地区の再編、地上支援車両のレベル4自動運転実装に向けた整備を進める。また、滑走路などの耐震性強化や護岸整備、基本施設や航空保安施設などの更新・改良にも取り組む。

羽田空港の主要整備事項(国交省の資料から)
成田空港に対する要求額は193億円で、前年度の179億円から14億円増額。このうち100億円は、空港整備勘定からの無利子貸付として計上した。空港を運営するNAA(成田国際空港会社)が進めるB滑走路の延伸やC滑走路の新設などを引き続き支援し、年間発着50万回の実現に向けて整備を進める。
また、2026年7月にまとまった「今後の成田空港施設の機能強化に関する検討会」の最終とりまとめを踏まえ、旅客・貨物取扱施設などの整備に向けた検討を進める。国の事業では、新管制塔の整備や無線施設の移設などを実施する。

成田空港(国交省の資料から)
関西・伊丹・中部・その他
関西・伊丹両空港に対しては合計45億円を要求し、前年度の23億円から22億円増額。両空港で航空保安施設などを整備する。
中部空港に対しては23億円を要求し、前年度の21億円から2億円増額。このうち15億円は、空港整備勘定からの無利子貸付となる。このほか、代替滑走路事業への財政投融資として194億円を要求した。開港以来、大規模補修をしていない既設滑走路の補修中も空港運用を続け、完全24時間運用を実現するため、空港を運営する中部国際空港会社が3290メートルの代替滑走路整備を進める。
一般空港等に対しては806億円を要求し、前年度の802億円から4億円増額。北九州空港では、2027年8月末の供用開始を予定する滑走路延長事業を進めるほか、屋久島空港でも滑走路延長を継続する。那覇空港では、国際線ターミナル地域の再編事業、新千歳空港では、誘導路の複線化などに加え、空港アクセス鉄道の整備に向けた調査・検討を進める。札幌の丘珠空港では、滑走路を1800メートルへ延長するための環境影響評価などの手続きを継続する。
このほか、空港の防災・減災や滑走路端安全区域(RESA)の整備などを進める。羽田空港で2024年1月に起きた航空機衝突事故を踏まえ、羽田、成田、関西、伊丹、中部の国際拠点空港に、新千歳、福岡、那覇を加えた主要8空港で滑走路状態表示灯(RWSL)の導入を拡大する。

関空と伊丹空港(国交省の資料から)

中部空港(国交省の資料から)
航空料金など「歳入改革」
航空局は、航空を取り巻く環境の変化に応じた「歳入改革」も打ち出した。航空機燃料税の税率維持を要望するほか、国内線に使う中小型機の着陸料軽減措置を強化。羽田、福岡、成田、関西、中部、新千歳、那覇の各空港から、羽田以外の国管理・共用空港への着陸料についても、さらに軽減する。羽田空港では低騒音機の導入を促すため着陸料の騒音料金などを見直し、管制サービスに充てる航行援助施設利用料も見直す。
国交省・航空局要求額
国交省全体の要求額は、一般会計が8兆7694億円で、2026年度当初予算に2025年度補正予算のうち恒常的な経費を加えた額との比較では1.35倍、2026年度当初予算比では1.44倍。このうち公共事業関係費は7兆6761億円でそれぞれ1.38倍、1.45倍、非公共事業は1兆933億円で1.18倍、1.40倍となる。東日本大震災復興特別会計として359億円(前年度比1.03倍)を計上し、財政投融資は2兆134億円(同1.47倍)を要求した。
航空局関係では、空港整備勘定の歳入・歳出はともに4545億円で、前年度の4250億円から295億円増額。一般会計(非公共予算)の要求額は74.9億円で、前年度の60.5億円から14.4億円増額となった。
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国土交通省
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