エアライン, 解説・コラム — 2026年1月9日 13:00 JST

JAL鳥取社長、若者の海外旅行離れ危機感「経済成長に影響」円安も懸念

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 日本航空(JAL/JL、9201)の鳥取三津子社長は、日本人の海外旅行(アウトバウンド)について「若い人たちに外に出て行ってもらわないと、日本経済の成長にすごく影響がある」と述べ、若年層の海外離れが将来的な国力低下につながりかねないとの強い危機感を示した。同時に、海外旅行への足かせとなっている円安に懸念を示した。

若者の海外旅行離れに危機感を感じていると語るJALの鳥取三津子社長=26年1月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 鳥取社長は、就任した2024年から若者の海外旅行需要喚起を一貫して訴えてきた。1月6日に報道各社による年頭取材に応じた際、本紙の問いかけに対し「日本のお客様に、本当に心の底から海外に行っていただきたい」と切り出し、「1年半くらい前から言い続けているが、我々にできることはやっていきたい」と、一過性の発言ではないことを強調した。

 若者向け需要喚起策として、JALは2024年9月から夢に挑戦する若者に航空券を提供するプロジェクト「DREAM MILES PASS(ドリームマイルパス)」を開始。これに合わせ、2018年からJALが支援している大谷翔平選手をデザインした特別塗装機「DREAM SHO JET」(エアバスA350-900型機、登録記号JA08XJ)を就航させ、2025年2月からは25歳以下を対象とした新運賃「JALカードスカイメイト」を導入するなど、若年層が旅に出やすい環境作りを進めている。

大谷選手を描いたJALの「DREAM SHO JET」=24年9月 PHOTO: Masatoshi KINOSHITA/Aviation Wire

 一方で、足元の障壁となっているのが円安や物価高だ。鳥取社長は「そこ(海外旅行の低迷)には物価や円安が確実に絡んでいる。円安については、少しでも円高の方に振れることをひたすら祈っているようなところだ」と、航空会社の努力だけでは補いきれない為替相場への切実な思いを口にした。

 対照的に、円安が追い風となっている訪日需要(インバウンド)については楽観的な見通しを示した。「引き続き日本に来ていただいており、今後もそれほど影響はないだろう。日本全体での目標(30年に6000万人)に向け、十分いけるのではないか」と語った。

 また、円安は国内線の収益構造にも影を落としている。鳥取社長は「国内線は外貨収入がない一方で、燃油費や整備費など外貨建てのコストが全体の4割くらいを占めている」と指摘。「最大限の汗をかいてやっていきたい」としつつ、新幹線との競合に加え、円安によるコスト増により、国内線単体での黒字化が難しい構造が続いているとの認識を示した。

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