エアバス, 機体, 需要, 需要実績 — 2025年12月9日 18:20 JST

エアバス納入、4カ月ぶり前年割れ 受注好調75機=11月実績

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 エアバスの2025年11月の引き渡しは前年同月比12機減の72機で、7月以来4カ月ぶりに前年同月を下回った。受注は45機増の75機で、インド最大の航空会社インディゴ(IGO/6E)からA350-900型機を30機追加受注した。

—記事の概要—
引き渡し
納入目標引き下げ
受注

引き渡し

11月の引き渡しが4カ月ぶりに前年割れとなったエアバス=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 引き渡しの内訳は、A320ファミリーが54機(前年同月66機)、A330ファミリーが4機(1機)、A350ファミリーが4機(5機)、A220ファミリー(旧ボンバルディアCシリーズ)は10機(12機)だった。

 A350は長胴型のA350-1000が2機で、いずれもカタール航空(QTR/QR)へ引き渡した。標準型のA350-900も2機で、デルタ航空(DAL/DL)とエールフランス航空(AFR/AF)へ納入した。

 A330のうちA330-900は3機で、アルジェリア国営のアルジェリア航空(DAH/AH)と伊ITAエアウェイズ(ITY/AZ)のほか、航空機リース会社アボロンにも引き渡し、マレーシア航空(MAS/MH)がリース導入した。残り1機はA330-800で、個人客ヘ納入。同型機は今年初の引き渡しとなった。

 A320はA321neoが35機で最も多く、A320neoの18機、A319neoの1機が続いた。A220は10機すべてA220-300で、A220-100はゼロだった。

納入目標引き下げ

 エアバスは、主力小型機のA320ファミリーの胴体パネルに不具合が生じていることから、今年の民間航空機の納入目標を引き下げた(関連記事)。新たな目標は30機引き下げ、約790機に設定。11月までの累計納入は657機で、目標達成には残り133機を引き渡す必要がある。

 12月は引き渡しが増加する傾向にある。コロナ期間を含めた過去6年間をみてみると、コロナが大流行する直前の2019年は138機を引き渡した。コロナ中の2020年は89機でやや落ち込んだものの、2021年は93機、2022年は98機と徐々に回復。2023年は112機、2024年は123機を引き渡している。

受注

 受注はA320ファミリーが23機(前年同月は10機)、A330ファミリーが6機(15機)、A350ファミリーが46機(5機)、A220ファミリーがゼロ(ゼロ)だった。

 A350のうちA350-1000は8機で、匿名顧客1者から受注。A350-900は30機で、すべてインディゴから受注した。また開発中の大型貨物機A350Fも8機受注。このうち2機はアゼルバイジャンのシルクウェイ・ウエスト・エアラインズ(AZG/7L)から、6機を中国国際航空(エアチャイナ、CCA/CA)系の中国国際貨運航空(エアチャイナカーゴ、CAO/CA)から受注した。

 A330は6機すべてA330-900で、エティハド航空(ETD/EY)から初めて受注した。

 A320はA321neoが7機、A320neoが16機。いずれも匿名顧客や個人客が発注した。

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