官公庁, 機体 — 2025年11月25日 21:32 JST

F-22、無人機の空中指揮成功 スカンクワークスが実証

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 ロッキード・マーチンの先進開発部門「スカンクワークス」は、ステルス戦闘機F-22「ラプター」のコックピットから、無人航空機システム(UAS)を飛行中に直接管制する実証試験に成功したと発表した。

F-22からUASを指揮するイメージ(ロッキード・マーチン提供)

 実証試験は、米ネバダ州ネリス空軍基地を拠点に実施。F-22のパイロットが、コックピット内のオープンインターフェースを通じて飛行中のUASに指示を送り、単座戦闘機であるF-22から無人機であるUASを指揮・統制する新たな運用コンセプトを示した。

 UASの操縦には「パイロット・ビークル・インターフェース(PVI)」を使用。直感的な操作で特定のミッション・プロファイルをUASに指示できるインターフェースで、将来のプラットフォームにも統合可能な柔軟性を備えるという。

 スカンク・ワークスのOJ・サンチェス上級副社長兼ゼネラルマネジャーは、単座戦闘機のコックピットからシンプルで直感的な仕組みでUASを指揮・統制できることが「航空戦闘能力におけるブレークスルーだ」と強調した。

米空軍のF-22(同軍提供)

 今回の飛行実証は、人間と機械のチーミング(human-machine teaming)能力を示すもので、「将来の航空戦」がすでに現実化しつつあることをアピールする位置づけ。ロッキード・マーチンは、自律機能やAIを活用した有人・無人システムの運用に長年取り組んでおり、自律型ドローンをF-22やF-35と統合する開発に重点を置いてきた。

 こうした取り組みは、米空軍が掲げる「ファミリー・オブ・システムズ」構想の実現に向けたもので、状況認識、相互運用性、生存性、柔軟性といった戦闘能力の向上につながる。ロッキード・マーチンは、F-22やF-35をはじめとする第5世代機によるチーミング能力の構築・試験・改善を通じて、航空戦の未来をすでに現実のものとして示した。

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Lockheed Martin

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