日本航空(JAL/JL、9201)の鳥取三津子社長は10月30日、エアバスA350型機の受領計画について、予定通り進捗しているとの見方を示した。

発注済み13機中10機がそろったJALのA350-1000。写真は10号機の初便=25年7月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
JALはボーイング777型機の後継機としてA350を2013年10月7日に発注。標準型のA350-900を18機、約7メートル長い長胴型のA350-1000を13機の計31機を確定発注し、オプション(仮発注)で25機購入する契約を締結した。現在A350-900は国内線用に17機(うち13号機は羽田事故で全損)、A350-1000は長距離国際線用に10機受領済み。フラッグシップであるA350-1000は今年度に11機となり、2027年度に777-300ERと同数の全13機がそろう見通し。
また、2027年度からは国際線仕様のA350-900の受領を開始予定。2024年7月に追加発注した20機で、今後成長が見込まれる北米・アジア・インドを中心とした国際線に投入する。
鳥取社長は「今後もサプライチェーンの混乱などはあるかと思うが、現時点で変更はない」と述べた。
エアバスの納入実績によると、A350は2025年1-3月期に9機(前年同期は7機)、4-6月期に12機(14機)、7-9月期に12機(15機)と月産4機のペースで引き渡しており、前年同期よりもおおむね1機少ないペースで推移している。
一方、ボーイングは現地時間10月29日、開発中の大型機777-9(777X)の納入開始がさらに遅れ、2027年になる見通しだと正式発表した。FAA(米国連邦航空局)が機体の安全性を証明する「型式証明」の取得が遅れているためで、当初計画から早くても7年遅れとなる。日本では、全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)が777-300ERの後継機として発注している。
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JAL国際線 AIRBUS A350-1000
日本航空
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