エアバス, エアライン, 機体, 解説・コラム — 2025年9月10日 07:35 JST

A350-1000、納入100機超え 7年5カ月で到達

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 エアバスA350-1000型機の納入機数が、8月に100機を超えた。エアバスの納入履歴によると、カタール航空(QTR/QR)へ引き渡された機体(登録記号A7-AOE)が、100機目のA350-1000になったとみられる。2018年2月の初納入から約7年5カ月で到達した。

納入機数が100機を超えたエアバスのA350-1000。写真は6月に開かれたパリ航空ショーで飛行する試験機=25年6月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 A350-1000は、8月に3機納入。エチオピア航空(ETH/ET)に8月1日、カタール航空へ13日、エティハド航空(ETD/EY)航空へ30日に引き渡された。7月の納入実績が累計98機、8月が同101機だったことから、エチオピアが99機目、カタールが100機目、エティハドが101機目となる。カタールは初納入先でもあり、2018年2月20日に初号機(A7-ANA)が引き渡された。

 エアバスによると、これまでに170万時間以上飛行し、全世界で5900万人以上の乗客を運んだという。

カタール航空へ引き渡されたA350-1000初号機=PHOTO: P. Masclet, Master Films/Airbus

羽田に到着するA350-1000飛行試験2号機=18年2月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 A350-1000は、A350 XWBファミリーで胴体が最長となる長胴型で、2016年11月24日に飛行試験初号機(F-WMIL)が初飛行。全長は73.78メートルで、標準型で66.8メートルのA350-900より6.98メートル長い。システムの95%がA350-900と共通で、タイプレーティング(機種別操縦資格)も同じ。主翼の後縁が改良され、メインランディングギア(主脚)は6輪のものに改められた。エンジンは英ロールス・ロイス製Trent XWB-97(トレントXWB-97)を搭載する。

 日本への初飛来は2018年2月14日で、飛行試験2号機(F-WLXV)が午前0時すぎに羽田空港へ到着。初の商業運航便は、カタール航空のドーハ発羽田行きQR812便(A7-ANC)で、2018年12月31日夜に到着した。

トゥールーズで引き渡されたJALのA350-1000初号機=23年12月13日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港に並ぶJALのA350-1000初号機(手前)と到着したばかりの2号機=24年1月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 日本の航空会社でA350-1000を発注しているのは日本航空(JAL/JL、9201)のみで、ボーイング777-300ERの後継機として同数の13機を発注済み。2024年1月24日に就航し、羽田発ニューヨーク行きJL6便(JA01WJ)が初便となった。7月15日に10号機(JA10WJ)が引き渡されて同月29日に就航済みで、今年度内に11機体制となる見込み。

 A350の受注は、8月時点で標準型のA350-900が1009機、長胴型のA350-1000が361機、開発中の貨物型A350Fが65機で、合わせて1435機。納入済みはA350-900が573機、A350-1000が101機となっている。

 このうち、A350-1000の今年の受注は8月までに69機で、内訳はルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)が1月に5機、ブリティッシュ・エアウェイズ(BAW/BA)が3月に6機、エバー航空(EVA/BR)が3月に6機、チャイナエアライン(中華航空、CAL/CI)が4月に10機、リヤド航空(RXI/RX)が6月のパリ航空ショーで25機、スターラックス航空(星宇航空、SJX/JX)がパリ航空ショーで10機、匿名顧客が8月に7機発注している。

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