米空軍と米GA-ASI(ジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズ)は、協調型戦闘機(CCA)の試作機YFQ-42Aの飛行試験を始めたと現地時間8月27日に発表した。カリフォルニア州の試験施設で実施され、プログラム開始から約1年で初飛行し、GA-ASIの開発受託からは約1年半ほどの短期間で実現した。

初飛行した米空軍のYFQ-42A (同軍提供)
YFQ-42Aは、GA-ASIが開発したステルス性を備えた空対空特化型の半自律型無人ジェット機。5年以上の飛行試験で学習させたAIの自律機能を組み込み、GA-ASI製のMQ-20「アベンジャー」などで蓄積された運用知見を活用する。モデルベースのデジタル設計手法を導入し、設計と開発期間を大幅に短縮することに成功したという。
今回の飛行試験では、空力的な信頼性、自律飛行機能、ミッションシステムの統合といった性能を評価する。今後はGA-ASIによる開発試験に加え、カリフォルニア州のエドワーズ空軍基地での独立評価、ネバダ州ネリス空軍基地における実験部隊による運用評価など、さまざまな検証が計画されている。
YFQ-42Aは米空軍が2024年3月に命名したもので、「Y」は量産試作機、「F」は戦闘機、「Q」は無人機を示す。正式量産へ移行した際には、頭の「Y」が外される。GA-ASIは米空軍から量産仕様の試作機開発を同年4月に受託し、5月から地上試験を開始した。
CCAは、次世代航空優勢(NGAD)構想に基づく「ファミリー・オブ・システムズ」の中核要素で、空軍戦力のモジュール化とソフトウェア定義型への移行を推進する。オープンアーキテクチャの採用により、機能や自律性の継続的なアップデートが可能になり、今後の戦場に即応する性能を目指す。2026会計年度中に量産初号機(インクリメント1)の選定判断を予定している。

初飛行した米空軍のYFQ-42A (同軍提供)

初飛行した米空軍のYFQ-42A (同軍提供)
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