機体 — 2025年8月29日 11:50 JST

ガルフストリーム、G800初納入 超長距離BJ、東京-NY・ロンドン直行

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 米ガルフストリーム・エアロスペースは現地時間8月27日(日本時間28日)、超長距離ビジネスジェット「G800」の初号機を顧客に引き渡したと発表した。東京を起点とした場合、ニューヨークやロンドンへノンストップで飛べる航続距離を誇る。

ガルフストリームG800(同社提供)

 G800は、巡航速度マッハ0.85で最大8200海里(約1万5186キロ)を飛行でき、マッハ0.90では7000海里(約1万2964キロ)、マッハ0.87では8000海里(約1万4816キロ)の航続距離を実現。最大巡航速度もマッハ0.925から0.935へと引き上げられた。

 客室は業界で最も低い与圧高度である2840フィート(約866メートル)を維持し、新鮮な空気、プラズマイオン式の空気清浄システム、大型のパノラミック・オーバルウインドウ16枚を備える。内装は最大4室の居住空間か、3室と乗員休憩区画の構成が可能。今年の「インターナショナル・ヨット&アビエーション・アワード」でプライベートジェット部門のデザイン賞を受賞している。

ガルフストリームG800の3区画レイアウト(同社提供)

ガルフストリームG800の4区画レイアウト(同社提供)

 型式証明は、今年4月16日にFAA(米国連邦航空局)とEASA(欧州航空安全庁)から取得。G800の主翼とウイングレットは、2019年に発表したG700の設計を継承し、エンジンもG700と同じくロールス・ロイス製「パール700(Pearl 700)」を採用している。

 最終組立工場があるウィスコンシン州アップルトンの施設には、大型機の内装を手がける部門のほか、2023年に開設した年間で最大48機を塗装できる専用塗装格納庫や、ガルフストリームの最新MRO(整備・修理・分解点検)施設が併設されている。

ガルフストリームG800の客室(同社提供)

ガルフストリームG800の客室(同社提供)

ガルフストリームG800のコックピット(同社提供)

ガルフストリームG800(同社提供)

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