官公庁, 空港 — 2025年7月4日 16:25 JST

保安検査、空港管理者が主体に 26年度から先行事例、年度内に行程表=中間とりまとめ

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 国土交通省航空局(JCAB)は、現在は航空会社が実施主体となっている各空港での保安検査を、空港管理者へ移行させる。国交省の有識者会議「空港における旅客の保安検査の実施主体の円滑な移行に向けた実務者検討会議」(座長:加藤一誠・慶應義塾大学商学部教授)での中間とりまとめで公表したもので、モデルケースとなる空港で優先的に検討し、空港ごとに移行へのロードマップ(行程表)を年度内に策定。先行事例は2026年度中の移行を目指す。

現在は航空会社が主体の保安検査。先行事例は26年度中に空港管理者に移行へ(資料写真)=24年1月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 現在の保安検査は航空各社が実施主体となり、警備会社などに実際の検査を委託している。移行後は、羽田や那覇などの国管理空港は国が、成田と中部の会社管理空港は空港会社が、地方管理空港は管理する地方自治体が担う。関空など、所有権を国に残したまま運営権を売却する「コンセッション方式」で民営化したコンセッション空港については、契約変更後に運営会社が保安検査も担う。

 6月27日に公表した中間とりまとめによると、経費負担は現行と同様、航空会社と空港管理者が折半する。このうち国管理空港は、保安料として一括して徴収し、航空運賃と同時に徴収する「オンチケット方式」の導入も検討する。旅客に対し透明性を確保しつつ、各空港ごとに具体的な徴収方法も検討していく。

 また、空港管理者や航空会社との役割分担や、実施主体移行の進め方、保安検査に起因した事故などによる損害賠償、関係者間の費用負担などは、引き続きの検討課題とした。

 国交省は、保安検査体制の改善を喫緊の課題と位置付けている。現状は就航する複数の航空会社が主体のため、トラブル発生時の迅速な対応や保安水準の維持に課題があるという。また、旅客利便と検査の厳格性を航空会社が担うことへの懸念もあるとしている。

関連リンク
国土交通省

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