スカイマーク(SKY/BC、9204)は9月19日、就航25周年を迎えた。羽田空港で記念式典を開催し、同社の洞駿(ほら・はやお)社長らが25年前の1路線目となった福岡行きの利用客に記念品を配り、謝意を示した。

スカイマーク就航25周年記念便となった羽田発福岡行きBC13便の乗客=23年9月19日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
—記事の概要—
・「上手くやっていけるのかな」
・25年前は羽田-福岡のみ
「上手くやっていけるのかな」

就航25周年で謝意を示すスカイマークの洞社長=23年9月19日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
洞社長は記念式典で、同社が就航した1998年当時の日本の航空市場を、日本航空(JAL/JL、9201)と全日本空輸(ANA/NH)、旧日本エアシステム(JAS、現JAL)の大手3社が独占していたと振り返り、「(スカイマークの)新規参入により競争を促進し、航空政策の大転換となった。その後、LCCの参入などにより航空が身近なものになった」と述べ、大手とは異なる“第三極”としての存在感をアピールした。25年間は経営破綻や新型コロナなどで「苦難の連続」(洞社長)だった。洞社長は25周年を再スタートと位置付け、気持ち新たに頑張っていきたいと語った。
運輸省(現・国土交通省)出身で航空局長などを歴任した洞社長は、スカイマークの誕生を行政側から見ていた。当時、スカイマークの運賃は大手の半額で、就航直後は大手が競合便の運賃をスカイマークを下回る金額に下げたことなどから、「上手くやっていけるのかな」と思っていたという。「いばらの道だったが、誕生のときから動向を注視してきた1人としては感無量」と述べた。
スカイマークは同社初の国際線定期便となる成田-サイパン線を2019年11月29日に開設。その後、コロナ影響で2020年3月25日の運航を最後に運休している。国際線の再開について、洞社長は2025-26年ぐらいまでは再開する計画はないとした上で、「国際線を飛ばすのは重要事項。ノウハウを維持し準備を整えたい」と述べ、チャーター便などにより定期便再開を模索したいとした。
記念便となった福岡行きBC13便(ボーイング737-800型機、登録記号JA737U)の乗客には、記念品を配布。25周年の記念ロゴが入ったミニトートバッグやタオルなどを、洞社長のほか、ANA出身の荒牧秀知専務や、客室乗務員として25年前の就航初日に乗務した客室本部長の浅井万美子執行役員らが配った。
同便は173人(幼児ゼロ)が利用。羽田空港第1ターミナルの22番スポット(駐機場)を午後0時38分に出発し、福岡へ向かった。

スカイマークの就航25周年式典に参列した洞社長(中央)と荒牧専務(中央右)、浅井客室本部長(中央左)ら=23年9月19日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
25年前は羽田-福岡のみ
スカイマークは1996年11月に設立し、国の規制緩和に伴う「新規航空会社」の1社目として誕生した。設立から2年後の1998年9月19日に、1路線目の羽田-福岡線を就航。当時は1路線のみで1日3往復6便を運航していた。初便となった午前7時35分羽田発の福岡行きBC1便(767-300ER、JA767A)は309人が利用し、満席で羽田を出発した。
設立当時の社名は「スカイマークエアラインズ」で、現社名の「スカイマーク」には2006年10月に変更した。就航から24年目の2022年11月6日には、累計の搭乗者数が1億人に到達した。現在は国内12空港へ乗り入れ、季節運航の福岡-下地島線を含め24路線を運航している。
2015年1月18日には民事再生法を申請して経営破綻し、同年2月27日で上場廃止。民事再生手続きは2016年3月28日に終結した。その後、2022年12月14日に東京証券取引所グロース市場へ上場し、東証には7年9カ月ぶりに再上場を果たした。

就航25周年記念便となった羽田発福岡行きBC13便の乗客に記念品を手渡すスカイマークの洞社長(右)=23年9月19日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

スカイマーク就航25周年記念便の乗客に手渡した記念品=23年9月19日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

羽田空港で出発を待つスカイマークの福岡行きBC13便=23年9月19日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
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