エアライン, 空港, 解説・コラム — 2023年7月13日 09:44 JST

ベトナム航空、関空-ダナン24年2月にも再開へ

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 ベトナム航空(HVN/VN)は7月12日、ダナン-関西線を早ければ2024年2月にも再開する方針を旅行会社向けの説明会で示した。観光庁が日本人の渡航先(アウトバウンド)の「重点ディスティネーション」にベトナムを含めているなど、リゾート地ダナンの需要回復が見込めるとして、再開に向けた検討を進めるという。

都内で日本路線の現状を説明するベトナム航空のグエン取締役=23年7月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
ニャチャン・フーコックも視野
東京乗り継ぎは3-4割

ニャチャン・フーコックも視野

 ベトナム航空によると、日本路線の旅客需要は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響前の2019年と比べ、8割以上の水準まで回復。7月時点の日本路線は10路線週68往復で、首都ハノイと南部のホーチミン、中部のリゾート地ダナンの3都市から日本へ乗り入れている。

関空を離陸するベトナム航空のダナン行き初便VN337便=18年10月28日 PHOTO: Motoyoshi OHMURA/Aviation Wire

 ハノイ発着は成田と羽田、中部、関西、福岡の5路線、ホーチミンは成田と関西、名古屋、福岡の4路線、ダナンは成田となっている。コロナ前の日本路線は11路線で、ダナン-関西線が最後まで残った。定期便としての再開のほか、臨時便も検討するという。

 日本地区総支配人を務めた経営企画・開発担当のグエン・クァン・チュン取締役は「南部のリゾート地ニャチャンや、最南端のフーコック島もチャーター便による需要調査や、日本から運航することで認知度を高めたい」との考えを示した。

東京乗り継ぎは3-4割

 日本の大手航空会社では、コロナ後の国際線は日本でアジア路線と北米路線を乗り継ぐ三国間流動が、回復が遅れている日本人のアウトバウンドを埋め合わせる形になっている。航空会社のアライアンス「スカイチーム」に加盟するベトナム航空は、スターアライアンス加盟社である全日本空輸(ANA/NH)ともコードシェア(共同運航)を実施している。

 ベトナム航空の日本路線の現状について、グエン氏は「ベトナム発で日本を最終目的地とする乗客は、羽田と成田が6-7割で、関西と中部、福岡はほぼ100%だ」と述べ、羽田と成田は残り3-4割が日本から第三国へ向かう乗り継ぎ需要だという。

 また、コロナ前からシンガポール航空(SIA/SQ)がシンガポール-ニューヨーク(ニューアーク)線を運航し、2025年後半にはカンタス航空(QFA/QF)がシドニー発着でニューヨークやロンドンへ片道19時間の直行便開設を計画するなど、20時間近いフライトになる超長距離国際線に進出する航空会社が現れている。

 こうした動きに対し、グエン氏は「ベトナムはレジャー需要が大きく、当面は計画していない」と語り、「ホーチミン-サンフランシスコ線をボーイング787型機で運航しているが、片道15時間くらいだ。ロサンゼルスも検討範囲に入る」と、現時点ではベトナムを起点に米西海岸が直行便の最長路線になるという。

関連リンク
ベトナム航空

ベトナム航空、プレエコ日本路線で拡大 半額プロモ運賃も(23年5月30日)
ベトナム航空、成田-ダナン再開 日本路線9割回復=夏ダイヤ計画(23年1月16日)
ベトナム航空、関空-ダナン就航 第3の都市、観光需要取り込む(18年10月29日)

  • 共有する:
  • Facebook
  • Twitter
  • Print This Post