エアライン, 解説・コラム — 2021年3月25日 08:19 JST

[体験記]JAL、2000円でPCR検査 唾液採取し郵送

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 緊急事態宣言が3月22日にすべて解除され、羽田空港の国内線利用者も日を追うごとに増えている。大手2社では3月の減便率は5割前後、4月に入ると3割台と徐々に運航便数も回復しつつある。一方で、まだ半数近い便が減便になっている以上、欠航便の前後に運航している便に利用者が集まるため、満席近い便も目立つ。

JALが提供しているPCR検査キット=21年3月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
2000円/2500マイルでPCR検査
出迎える側にも安心を

2000円/2500マイルでPCR検査

 空の便の利用者が戻りつつあるものの、自らが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染していないかも気になるところだ。日本航空(JAL/JL、9201)では、PCR検査を旅行前に受けられるサービスを2020年10月23日からツアー商品の利用客を中心に提供してきたが、3月8日からはJALのマイル制度「JALマイレージバンク(JMB)」会員にも拡大した。搭乗期間は6月30日までが対象になる。

 料金は2000円(税込)または2500マイル。航空券を購入していない人でも、PCR検査のみは1万4850円、陰性証明書も必要な場合は1万7160円で利用できる。受検する回数に制限はなく、JMB会員でJAL便に乗るついでに検査すれば、通常よりも安価にPCR検査を済ますことができ、今は行き場のないマイルを活用することもできる。

 にしたんクリニック(東京・渋谷)と連携して提供しており、航空券購入後にJALの専用サイトから申し込むと唾液を採取する検査キットが郵送されてくる。自宅で唾液を採取して返送すると、24時間以内に検査結果がメールで送られてくるものだ。

自宅に届いたJALのPCR検査キットの中身=21年3月17日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

JALが提供しているPCR検査キットの保存容器(左)と漏斗=21年3月17日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 私も実際に利用してみたが、土日祝日も検査や結果通知などの業務が行われるため、3月14日日曜の朝に専用サイトから申し込み、17日夜に検体を収めた箱をポストに投函したところ、19日朝に検体受領のメールが届き、この日の昼過ぎには検査結果が送られてきた。結果は陰性で安心したが、申込から5日で結果がわかるので、出張で飛行機を利用する場合も、航空券の手配に余裕があれば出発までに結果がわかるだろう。

 検査を利用する場合、唾液を採取する前は飲食や歯磨きなどが禁止なので、検査キットが届いたら注意書きはよく読んだ方がいいだろう。また、採取前に手を洗い、清潔な場所で作業するといった、検査結果を左右する要素への注意も必要だ。また、それなりの量の唾液を漏斗(ろうと)を使って保存容器に採取する必要があるので、唾液が出にくい人は事前に練習をしておいた方が、スムーズに採取できるだろう。

 梱包時の注意点としては、検体の梱包用シールと送付用の箱に封をするシールの2種類があるので、なんとなくシールを使うのではなく、説明書をよく読んでどちらにどのシールを使うのは確認したほうがいいだろう。私は最初、送付箱に貼るシールを梱包時に使いかけてしまい、貼り直して投函した。

 返送は220円分の切手を貼り普通郵便で送り、急ぎの場合は速達料金を含む510円分の切手を貼って投函する。

 私は17日夜に投函する際、近所のポストの最終集荷時刻までに間に合わせようと、検査キットの撮影もそこそこにして急いだが、切手が必要なことを失念していた。コンビニで切手を購入後に投函したので、集荷は翌日18日の朝になってしまった。私の場合、申込から5日で結果が判明したが、こうしたロスタイムがあってのことだ。仮に17日の昼ごろ投函していれば、1日早く結果を知ることができたかもしれない。

出迎える側にも安心を

PCR検査サービスに携わるJALの藤井さん=21年3月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 今回のPCR検査サービスに携われるJAL商品・サービス企画本部業務部の藤井智之さんによると、これまでに約4000人の利用があり、おおむね想定通りだという。「出張でやむを得ず飛行機を利用している方にも、出迎える方にも安心してもらいたい」と話していた。唾液検査にしたのは、国が国際線利用者に対して実施している抗体検査も唾液を用いていることなどから決めたという。

 また、赴任や留学で利用する人が多い国際線についても、JALは新型コロナの無料補償サービス「JALコロナカバー」を6月末まで国際線利用者に提供。渡航先で新型コロナの陽性判定を受けた際にかかる費用を補償する。

 まもなく新年度やゴールデンウイークと、人の移動が多い時期になる。こうした制度の利用も考えたいものだ。

関連リンク
JAL国内線 PCR検査サービス
日本航空

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