空港 — 2021年3月15日 13:20 JST

成田空港、ブーツ脱がず8秒で検査 保安検査場で実証実験

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 成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)は3月15日、保安検査場で乗客が靴を履いたまま、靴に凶器や爆発物などが隠されていないかを自動で検査できる「靴検査装置」の実証実験を報道関係者に公開した。従来は数分かかっていた検査を、8秒程度に短縮できるという。

成田空港が実証実験する靴検査装置=21年3月15日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ブーツや厚底靴、安全靴など、くるぶしを覆う靴類はすべてX線検査を実施する保安強化策を、国土交通省が2019年9月から導入。靴から金属反応が出た場合、多くは靴の金具類など保安上の問題とならない割に時間がかかる。また、乗客に負担がかかるだけでなく、検査に非協力的な乗客が保安検査員に詰め寄るなどの問題もみられた。

 実証実験では、伊CEIA社製の靴検査装置「SAMDEX」を、第1ターミナル南ウイングの国際線出発保安検査場に2つ設置。装置の導入で保安検査の高度化や、保安検査員の負担軽減、労働環境の改善に加え、乗客と検査員の接触機会を減らして感染症の感染リスクを抑えたり、乗客の利便性向上につなげる。

 NAAによると、装置による検査時間は片足約2.5秒で、8秒程度で終えられるという。現在の検査では乗客に靴を脱いでもらい、靴をX線検査装置に通して再び履いてもらうなど、1人あたりの保安検査時間が長くなる要因にもなっていた。

 成田空港では、2020年4月に第1と第2両ターミナルの国際線保安検査場を約2倍に拡張。一度に複数の乗客が検査を受けられる最新の保安検査レーンや、高度な爆発物検知機能を持つX線検査機器、ボディースキャナーを導入することで、保安検査場の処理能力を1.5倍に向上させた。

 今回の実証実験は30日までの16日間。現在多くの国際線が運休となっているが、保安検査場は一時的に混雑するケースもあることから、導入した場合の効果の検証を進める。

成田空港が実証実験する靴検査装置=21年3月15日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

成田空港が実証実験する靴検査装置=21年3月15日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

成田空港が実証実験する靴検査装置=21年3月15日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

成田空港が実証実験する靴検査装置=21年3月15日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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